犬と暮らす

ジャイ(うちの犬)と散歩をすると、毎日色んな犬とすれちがう。

姿形も性格もほんとうにさまざま。私は、大の犬好きなので、どんな犬も可能な限りさわらせてもらう。そして耳の後ろの柔らかい毛をくりくりさわりながら、この子たちは家の中で、家族とどんな風に暮らしているのだろうと想像する。

ロゼッタは北原家に住むラブラドール・リトリーバーのメス4歳(撮影当時)。盲導犬として育てられるため、生後50日でパピーウォーカーに預けられ、約1年後訓練所に入った。

ロゼッタは頭もよいし、感も鋭い。しかし、どんなに優秀な犬で訓練を完全にマスターしたとしても、盲導犬になれるというものではないらしい。その仕事がら、盲導犬は精神的にそうとうタフでないと務まらないのだ。ロゼッタは性格が繊細すぎて、盲導犬に向かなかった。そこで、同じくパピーウォーカーをしていた、北原家にやって来たのだ。

ユーザー(盲導犬を必要とする人)に対して10%しか盲導犬を供給できない現実を知れば、うかつにいうべきことではないけれど、ロゼッタは北原家に来れてほんとうに幸せだったと思う。

パピーウォーカーの経験がある北原家は、ロゼッタの性格をしっかり把握している。しつけも心得ているし、なによりも愛情に満ちあふれている。きちんと手入れをしてもらい、健康的な毎日を送っている。日曜日は、お休みのお父さんの後をずっとついてまわり、息子さんに抱っこされて極上の気分にひたり、お母さんの耳掃除にうっとりする。ロゼッタは自分を犬と思っていないと家の人はいう。改めて写真を見ると、おもわず笑みがこぼれ、なるほどと納得してしまう顔つきではないか。

※下の写真をクリックすると、スライドショーが楽しめます。