国権の最高機関であると同時に、日本で唯一の立法機関(法律をつくるところ)である国会。その中では衆議院議員480人、参議院議員247人の国会議員が活動しています。そこで今回の「なるほど・ザ・ニュース」は、そんな国会議員に与えられた特権の数々を調べてみました。




国会議員ってどのくらい給料をもらってるの?

憲法第49条に「国会議員は国庫から相当額の歳費を受ける」とあり、いったん議員に当選したら、その身分を失わない限り歳費(給料)を受け取る権利が保証されています。その額ですが、衆議院議員、参議院議員とも同じで、年間1650万円が支給されます。これとは別に、期末手当(ボーナス)が747万6560円、文書通信交通滞在費が1200万円、立法事務費が780万円支給されます。国会議員一人あたり実に年間4377万6560円もの大金が国庫つまり税金から支払われています。


たとえ何もしなくても国会議員はこれだけもらえるの?

そうです。どんな場合でも国会議員という身分がある限り受け取れます。たとえば汚職などの犯罪を犯して、拘置所に収監されていても全額支払われます。また、病気や国会に出ることができないほどの高齢議員でも同じあつかいとなります。さらに、法律によって、国会議員はたとえ1日でも議員ならば、まるまる1か月分の歳費を受け取ることができるという、都合のいい決まりもあります。仮に6月1日に何らかの理由で議員の身分を失ったとしても6月分そっくりもらえちゃうというわけです。実際に去年、民主党の大橋巨泉参議院議員(当時)がこの制度に異議を唱え、歳費の返納を申し出ましたが却下されてしまいました。




お金以外にも国会議員の特権はあるの?

まだまだあります。その代表的なものが「不逮捕特権」と呼ばれ、国会議員は国会会期中は逮捕されないという権利です。これは、国民の代表である議員が時の権力に弾圧されたり、議員活動に制限が加えられることを排除するための身分保証で、憲法によって定められています。ただし、現行犯逮捕と刑事事件(汚職など)の容疑者となった場合は、議院の許可があれば逮捕されてしまいます。


議員会館って家賃はタダ?

もちろん無料です。国会議員には全員、東京・永田町にある議員会館が一部屋割り当てられます。その際、家賃や電話代などはすべてタダ。そのうえ、議員会館で使うデスク、イス、応接セットから湯飲みやポットまで国から支給されます。また、一定の条件を満たせば格安の家賃で宿舎に入ることもできます。


新幹線もタダってほんと?

本当です。国会議員には交通費として、国会のある東京と選挙区との間を往復するための無料パスが支給されます。

具体的には
1.新幹線やグリーン車にも乗れるJRの無料パス
2.東京〜選挙区の3往復分航空券(引換証)+JRの無料パス
3.東京〜選挙区の4往復分航空券(引換証)のうち希望するものを毎月もらえます。




飛行機はファーストクラス?

国会議員がエコノミークラスでお国入りなんてたぶんないでしょう。ちなみに国会議員が海外視察する場合はもちろん移動の飛行機はファーストクラス。旅費も全部国から支給されます。いずれにしても、国会議員にはさまざまな特典が用意されているんだから、一生懸命国のために働いてほしいですね。くれぐれも立場を利用して私腹なんか肥やさないようお願いしたいもの。

(2002.5.22 取材/金子保知)