日本の国旗を見直そう!


言うまでもなく日本の国旗は日章旗、またの名を「日の丸」と言います。個人的には世界で一番いい国旗ではないかと思います。シンプルな中にも格調があって。そこで今回は日章旗のあれこれを調べてみました。

国旗ってなんだろう?

この地球上には、現在200近い国があり、それぞれの国がみな国旗や国歌を持っています。中でも国旗(national flag)は、その国の歴史や文化、風土、理想などの国柄を表し、国家や国民の精神や誇りを象徴的に表現していることが少なくありません。そして、多くの国々が国旗や国歌を法律で規定しています。つまり、国旗や国歌は大切に扱い、敬意をもって接することは世界共通のマナーなのです。参考までに、日本では平成11(1999)年8月13日に「国旗及び国歌に関する法律(国旗国歌法)」により、国旗を「日章旗」国歌を「君が代」と規定しました。


日章旗(日の丸)には規定がある!?

上で説明した「国旗及び国歌に関する法律」の規定によれば、日章旗(日の丸)の形は縦の長さが横の長さの3分の2、つまり横3:縦2の比率の長方形で、日の丸の直径は縦の長さの5分の3で中心は旗の中心。また、旗の地色は白色、丸は紅色と規定されています。

この日の丸の歴史はたいへん古く、武田信玄や織田信長、上杉謙信などの戦国武将が旗印として使っていたという記録が残っています。その後、幕末になると、諸外国との通商などが始まったため、幕府は嘉永7(1854)年7月、日の丸を日本惣船印(総船印)と定め、白地に日の丸の旗を掲げるよう布告しました。また、安政7=万延元(1860)年には、日米修好通商条約の批准書を交換するために渡米した使節団一行が、アメリカ国旗と日章旗で飾られたニューヨークの街を歩いている様子が、現地の新聞に紹介されています。

国旗掲揚の時は起立脱帽がマナー

かつてはお正月や祝日の日には、どの家も玄関先に日の丸を掲げてお祝いをしていましたが、時代とともに住宅事情や日の丸に対する思い入れが変化したのか、あまり見かけなくなってしまいました。それでも日本国民として国旗掲揚のマナーを知っておくのは悪いことではありません。よくサッカーの国際試合などで国歌が流れていますが、その時、外国の選手は右手を左胸に当てる姿勢をとることが多いようです。日本では特にそういった姿勢をとる必要はありませんが、最低でも起立脱帽して姿勢を正し、国旗に敬意を表すようにしましょう。

ところで、ニュースなどで外国の旗を燃やしている映像を見かけることがあります。その国に対して抗議の意味があるのかもしれませんが、日本では他国の国旗に対して侮辱的扱いをすると刑法で罰せられることがあります。「外国に対して侮辱を加えることを目的にその国の国旗その他の国章を損壊したり、除去、汚損した者は2年以下の懲役または20万円以下の罰金に処する」とあります。どんなに腹が立っても、よその国の国旗を燃そうなんて考えないほうがいいみたいです。



国際的な国旗掲揚には厳しいマナーがある

オリンピックやスポーツの世界大会などで優勝し、国歌が流れると同時に国旗がスルスルッと揚がった瞬間、日章旗が汚れていたり破れていたらがっかりしちゃいますよね。国旗は国家や国民を象徴するものだから、汚れていたり、破損しているものは絶対に使ってはいけないルールになっています。たかが旗、されど旗……国旗にはさまざまなマナーがあります。たぶん私たちが係わることはないでしょうが、ここでは国旗の国際儀礼について少し解説しましょう。

まず国旗を掲げる場合、必ずポール(旗竿)に接して掲げなければなりません。これは弔意を表す半旗と間違えてしまうからというのが理由です。また旗を地面につけるのも厳禁です。日本国旗と外国の国旗を同時に掲げる場合は、旗の大きさ、ポールの高さも同じにしなければなりません。また、自分の国の旗を揚げずに外国の旗だけを揚げるのもだめ。同じく1本のポールに2か国以上の旗を掲げてもだめ。その他、国旗の掲揚は日の出(もしくは始業時間)からから日没(もしくは終業時間)までとする、雨の日は屋外で国旗掲揚をしない、外国で国家元首などが亡くなり、国葬が行われる場合は当日、総理官邸、外務省の旗は半旗とする、などたくさんの決まり事があります。

国旗にはどんな意味がある?

日本の日の丸は、言うまでもなく太陽を表しています。それでは諸外国の国旗にはどんな意味があるのでしょうか。

アメリカの国旗、星条旗の場合、赤で始まり赤で終わる13本の横縞は独立当時の州の数を表しています。左上の青地に白の星型は全米50州を表しています。ちなみに50番目の州はハワイ州で1959年に追加されました。フランスの三色旗(青、白、赤=トリコロール)は自由、平等、博愛の精神を象徴するフランスのシンボルとして、憲法で定められています。



イギリスの国旗ユニオンフラッグはユニオンジャックとも呼ばれ親しまれています。この旗の由来は一人の君主の統治下にあるイングランド(白地に赤の十字)、スコットランド(青地に白の斜め十字)、アイルランド(白地に赤の斜め十字)3か国の紋章を象徴しています。ただし、イギリスの国旗は特に法律で定められているわけではなく慣習。どの国の国旗にもそれぞれ意味があり由来があります。興味のある人は調べてみてはいかがですか。

(2006.11.14 取材/ジャーナリスト・金子保知)