毎日の生活や運動で使われるエネルギ−より、食事をすることで体内にとり入れるエネルギ−のほうが多いと、使われずに残ったエネルギ−は体脂肪となって体内に蓄積されます。反対に、食事の量を減らして、体のなかで使われるエネルギ−より少なくすると、体のなかについている脂肪がそれに代わってエネルギ−として使われます。体のなかに着いている脂肪を使い続ければ、体重は減っていくでしょう。
●極端なダイエットをすると
ところが、減量を急ぐあまり、たとえば1日800kcalしか摂取しないというダイエットをしたり、ある食品1品しかとらないという生活を毎日続けるなど、極端な食生活をする人がいます。こんな過激なダイエットが長く続くはずがありません。栄養の偏った食生活を続けていると、体脂肪ばかりでなく、体のたんぱく質やカルシウムまでどんどんなくなってしまうケ−スがあるのです。ダイエットの影響で、骨がスカスカになり、とくに最近では、若い女性のあいだにも骨粗鬆症になる危険がみられるといわれています。骨粗鬆症とは、本来「骨組織の組成は正常だが、単位あたりの骨の量が減少した状態をいうひとつの症候群」。つまり、外見は普通の骨と変わらないのですが、骨のなかはぼろぼろになった状態です。これまで、年令が上がるに従ってみられたこの骨粗鬆症が、このごろは若い女性のあいだに増えているというのです。カルシウムの不足が、若い女性にとって、とても深刻になってきていることがわかります。
●なぜダイエットに成功しない?
さらに、カルシウムが不足すると、ストレス性の肥満をひき起こしやすいということもわかっています。食べたいのに食べられないというストレスから、心が不安定になりダイエットは挫折、おまけに体重は逆に増え、栄養不良からお肌はあれてツヤを失ってしまうという最悪の結果をもたらす場合があるのです。ひどい場合は貧血症になったり、生理が止まってしまったり、また疲れやすくなって何事にも無気力になってしまうなど、さまざまな症状が現れてくる危険もあることが知られています。
●わずか600mgのカルシウムこそが重要
人の体に必要な栄養素が不足することによって起きる障害は、さまざまありますが、ダイエッタ−にとって、とくに注目したいのがこのカルシウム不足なのです。私たちの体のなかには、常に約1kgのカルシウムがあるといわれています。その大半は骨や歯に含まれていますが、わずか600mgですが筋肉、神経系統、血液などの体内部の組織にも存在します。体の各組織で働いているこの600mgのカルシウムこそが、日常生活をする私たちの体にとって、とても重要な意味をもつことがわっかっています。