●カルシウムの吸収を助けるビタミンD
ビタミンDが不足すると骨の発育が妨げられ、子供ではクル病に、大人では骨軟化症になることはよく知られています。ビタミンDは、骨を正常に発達させるためにはなくてはならない栄養素です。ビタミンDは、体内に入ると活性型に変化します。この活性型ビタミンDは、カルシウムの吸収に大切な働きをします。カルシウムをたくさん摂取しても、ビタミンDが不足すれば、体内で吸収されずに排泄されます。ビタミンDは、魚の肝油に多0く含まれており、丸ごと食べられ小魚類がおすすめです。また、きのこ類には紫外線にあたると科学変化を起こしてビタミンDに変わるエルゴステロールが含まれています。天日で乾燥させた干しシイタケやキクラゲにはビタミンDがたっぷりというけです。
●注目したい牛乳のカルシウム
カルシウムを多く含む食品には、まず牛乳があげられます。これは、牛乳に含まれているカルシウムの量が多いこともありますが、さらにそのうえ、牛乳に含まれている乳糖にはカルシウム吸収を助ける作用があるからです。カルシウムの供給源として、牛乳が優れているもうひとつの理由にカゼインがあります。牛乳に含まれているカゼインは、小腸内でカルシウムが不溶性のリン酸カルシウムになるのを防ぐ働きをします。最近では、カルシウムの補給や消化機能が弱っている人のための食品として、カゼインを添加した健康食品も売られているほどです。
●バランスのとれた食生活が基本
さまざまなカルシウム剤が出回っています。でも、カルシウム剤に頼りきって、食事からのカルシウム摂取をおろそかにするのは問題です。カルシウムに不足があれば、まず食生活を見直しましょう。カルシウムの体内吸収には、ビタミンD、乳糖など、ほかの栄養素との関係が特に重要ですから、「いろいろな栄養素をバランスよくとる」ことが基本になります。栄養のバランスを考えながら、食品からカルシウムをしっかりとれば、カルシウムだけでなく、カルシウムの吸収をよくする成分も同時にとれます。そのうえで、カロリーを抑えた食生活を続ければ、スリムでバランスのとれた美しいボディーを手にすることも、夢ではないでしょう。