新ダイエット生活3か月目である。今週も体重に変動はないのだが、先日洋服を買いに行ったら、9号を着ることができて、ちょっとびっくりした。マックスに太っていた時、細身のシャツが15号でないと入らない、という事実を突きつけられた経験を持つ私にとっては、これはかなり喜ばしいことである。

恐らく私の身長であれば7号が普通なのだろうが、まぁ9号というのも決して「デブ」なサイズではないと思えば、少々キツメだったことは置いておくとしても、喜ばしいことである。体重の変化はなくても、ささやかながらこのような肉体の変化に出会うことがあると、溜まりに溜まったストレスに苦しむ心も、少しは癒される。

それにしても本当に「肉体」とは不思議なものである。私は現在52.5kgだが、10年程前の今と同じ体重だった頃の写真などを見ると、今のほうが痩せて見える。着ているもので多少の違いはあるだろうが、二重顎の具合もかなり違うし、足の太さも違う。よく高校生の頃は、どれほど痩せていても肌がはちきれんばかりになっているため、同じ体重でも太って見えると言うが、20代と30代でもその差は歴然としてあるらしい。

引力の関係で、年齢が嵩むにつれ脂肪は下に下がり、同じ量の脂肪をつけて生きているにも関わらず、はちきれそうに見えない分、痩せて見えると言うことなのか。それとも、「体重」と「見え方」には何か決まった法則があり、それに「年齢」という要素を加えることで起こる「変化」というものがあるのだろうか。

同じ身長・体重の人でも、鍛え方によってその体型は大きく違うだろうし、同じ量の脂肪を持っていても、それが顔に出る人は「デブ」な感じがバレやすく、太ももや二の腕に出る人はバレにくい。骨が太い・細いなどによっても、客観的なデブ度は違うだろう。

以前、友人が私の持っていたスカートを「可愛い」とあまりに褒めるので、同じものを買ってきて上げたことがある。彼女は私とほぼ同じ身長だが、誰に聞いても客観的には私より痩せている。しかし彼女は、私が普通に履いているスカートを、履くことができなかったのだ。

体重を聞くことはなかったが、見た目はあきらかに私より細く、顎にもまったく脂肪がぶら下がっていない友人の方が、実際は私よりウエストが太かったのである。ウエストが太いということを「私より太っている」というべきかどうかわからないが、私のスカートをその友人が履くことができないという事実は、少なくとも客観的には絶対にわからない。

「太っている」という状態を、どこで決めるのか。ウエストの太さなのか、身長と体重のバランスなのか、考えてみると、それすらもよくわからずダイエットをしている人は多いだろう。でも、ダイエッターが目指しているところは、ただひとつ、「人から痩せて見える」という場所である。

例え9号の服が着られても、「みかんはきっと11号だね」と言われるような体型では、痩せても意味がないということなのかもしれない……。