連載終了後、開放感と気の抜けたような気分に浸っていたら、ダイエット塾の七尾先生からお電話があった。
「みかんちゃん、不本意じゃない?」
いきなりのお言葉に、「え?」と問い返すと、「終了するってわかっていたら、もっと痩せられたかもしれないでしょう?」とのこと。
前回の連載は最初から半年という約束だったのだが、間の抜けたことにダイエッターである私自身が、その期間を忘れており、何と七尾先生まですっかりそれを忘れていたため、「突然の終了宣言」となってしまった。そのことは、最終回にも書いたが、それを読んだ七尾先生が、私を哀れに思ったか、「それではもう一度、しつこくダイエットに挑戦してみなさい」と言ってくださったわけである。なので、再びここにしつこく登場するとなったのだ。
話は突然変わるが、世の中には「アウトドア派」と「インドア派」という言葉がある。「アウトドア派」の人は、休みの度に外出し、しかもスポーティなことを趣味としている。例えば夏なら海へ、冬ならスキーへ。釣りやキャンプなどを趣味にしている人も立派なアウトドア派だ。
対して「インドア派」の趣味といえば読書とか映画なんかが挙げられる。アウトドア派の中でも凄い人は「私、動いていないとイヤなの」というタイプも多く、スケジュール帳が真っ黒になるくらい埋まっていないと焦りすら感じ、空いている時間にはスポーツクラブにまで通ったりする。インドア派の人は家でダラダラと過ごすことが大好きで、ちょっと前なら「カウチポテト」なんて、自分を称したりしていた。
で、私はというと、完全な後者、インドア派である。まず外出そのものが好きではなく、仕事がなければ、別に毎日一歩も家を出ない…という日が続いてもまったく苦痛ではない。ひとり暮らしなので、「ここ一週間、誰とも口をきいてない」ということが時々あるが、それも気にならない。
趣味といえば読書、ゲーム、映画・演劇鑑賞、それにパソコンをいじるのが大好きというインドア振り。色が白く、すでに小学生の頃からソバカスに悩まされてきたので、肌を焼くのは大嫌い。もちろん海なんてとんでもないことで、小学校5年生からこちら、海に行った回数を正確に言えるくらい、ほとんど行ったことがない。スキーもしないしスポーツクラブにも行かない。好んでやるほど「運動」が好きではないのだ(過去に通ったことはあるが)。旅行は好きだけれど、あくまで観光メインで、決してスポーティなことをやるための旅行は企画しない。
そんな私が一体どういう心境の変化なのか、今年の夏は妙にアウトドアなことを企画している。前回の連載が終了してから今日までの間、すでにプチ旅行を二回もして、川下りをしたり、キャンプしたり、乗馬までやってしまった。鳥取砂丘では熱砂に焼かれてすっかり日焼けし、再来週には富士登山まですることになっている。
「インドア派」「アウトドア派」というのは決して痩せている、太っているということに関係はないと思うが、得てして太りやすい人はインドアな人が多いように思う。だって自分の体だけでも重いのに、さらにたくさんの荷物を持って出かける気にはなかなかならないし、水着だってスキーウエアだって、太っていては着る気になれない。
痩せたことで得たものは、心身両面でたくさんあるけれど、「行動範囲が広がった」というのは、人生において画期的なことだと思う。
まだまだ「太目」の私。この連載で何とかもう少し痩せて、さらに行動範囲を広げたいと思っている。