もしもこのふたりが出会ったのなら、それは神の定めた運命としかいいようがありません。そして残念なことに、紫と紫は最悪の相性。しかも最悪とわかっていながらも出会ったが最後、なかなか別れることができないのが、このふたりの運命なのです。
紫は個性的で、創造的。とてもアーティスティックでユニークなキャラクターを持ち、特に芸術方面の仕事でその魅力が発揮されます。紫は、何かを表現せずにはいられない人生運を持ち、素晴らしい仕事を残す可能性を秘めています。ですがその一方で、常人にはちょっと受け入れがたい癖や、特異な性格の持ち主でもあります。
個性というのは、置かれた場所や状況によって、長所にも短所にもなります。紫の個性はあまりにも強烈過ぎるため、それがふたりとなると、相乗効果で、数倍もの威力を発揮します。自分ひとりで社会に向かっているときには抑えられていた欠点が、ふたりになることによって肯定され、増長するようになってしまいます。
紫が本来持っている社会性のなさ、協調性のなさ、自己本位な面、耽溺傾向の性格が何倍にも増幅され、水面下に鳴りをひそめていた超個性的な面も姿を表します。それは本人たちにとっても不幸なことですが、周囲の人間にとっても迷惑なこと。紫と紫の組み合わせは、社会からドロップアウトする方向に進み、次々に困難を呼び込むでしょう。
紫と紫は、出会った瞬間からお互いを強く求め合います。もともと強烈なナルシズムを持つ紫が、自分にそっくりな面を持つ人間にひかれるのは当然のこと。ふたりでいることで、これまでには体験しなかった魂の安らぎを得ることができるのです。ただしこれは、鏡に向かって独り言をいってるのとなんら変わりなく、ときには体にとって毒にもなりかねません。
紫同士の組み合わせは、あまりポジティブな運は呼び込みません。ひとりが病気になれば、片方も病気になり、片方が悪事に走ればもう片方もそれに付き合ってしまいます。地域社会から孤立したり、ドラッグに溺れたり、犯罪を犯すまではいかなくても、自己破滅型の性格が増幅され、その結果、健康を害することもあります。
魂の安らぎはあったとしても、それは嫌なことから顔をそむけているだけで、社会生活を送る上での試練や、義務がなくなるわけではありません。一緒にいることで、現実逃避をしているという認識がなくなり、社会への適応性は、ますます失っていってしまいます。
そして、この紫同士が恋に落ちた場合。それは激しく妖しく甘美なものとなるでしょう。麻薬のように魂を奪われる、理性では抵抗しがたい恋です。従って一度出会ったら別れるのは困難で、たとえトラブルがあって衝突したとしても、いつか再び、このふたりは結びつく運命にあります。