緑とグレーは、相性がよいとも悪いとも一言ではいい切れない、独特の運勢を持っています。緑とグレーは普通の状態で出会った場合、特に相手に対して強い印象を持たず、そのまま通り過ぎてしまうことも多いようです。ところが、どちらか片方、または両方がひどく傷ついていたり体が弱っている状態で出会った場合、自然と心を打ち明け合う仲となり、強い絆が生まれてきます。
緑とグレーには、「傷ついた心が結びつける運」があり、他では得られない“傷を癒し合う”相手となる可能性があります。ただし、心は癒されるのですが、ふたりが一緒にいることで特に好運が巡ってくるとは限りません。自分の弱い部分、弱い心をさらけだす関係は、言葉はよくないのですが「傷をなめ合う」関係でもあります。むしろ、弱い面や後ろ向きな意識にとらわれ、好運を逃がしてしまう可能性もあります。
緑もグレーも、かなり生真面目で不器用なタイプの人間です。そのため、世間では損をすることが多く、よく似た部分を相手の中に感じるからこそ、お互いを理解できるのです。ただし、グレーはある意味、あきらめというか達観しており、それに比べ緑は、まだまだ世間の価値観にとらわれ、あがいているようなところがあります。
たいていの場合、グレーは緑よりもはるかに年上か、またはキャリアが豊富な人間で、社会的には現役を引退したような、そんな意識を持っていることが多いようです。また、年齢的には若くても、子供の頃から虚弱だったり、ハンデを背負っていたり、家庭の事情などで不遇な子供時代を過ごしたなど、人生背経験が豊富な人が多いようです。
緑はそんなグレーの大人びた部分に、安心感を持って接することができます。一方のグレーも、道徳観念が強く真面目な緑の生き方は、尊敬と安心を持って見つめることができるのです。ただ、このふたりは、本質的に生きるリズムというかテンポが違います。緑は、スピーディな現代社会の中で、自分の生活の基盤をつくることに価値観を感じ、一方のグレーは、リタイアした人のような、のんびりとしたペースの自分独自の世界の中で生きようとしています。
そんなグレーの生き方を緑が見ると、ある種のあきらめに支配された生き方のように見えてしまいます。つまり、緑が傷ついた心や弱った心を持っているうちは、心を癒してくれるグレーの存在を必要としますが、緑が恵まれた状況になると、グレーの存在が必要なくなってしまうのです。そんな緑の心の変化をグレーは敏感に感じる取ることができるのですが、かといって自分のそばに縛りつけておこうというほどエネルギーもありません。
緑とグレーが異性同士だった場合、割合に抵抗なく最初から相手を受け入れることができます。生理的な部分であまり違和感を感じることなく、静かに自然に結びつくという相性です。このふたりは、肉体的な結びつきより、精神的な結びつきを優先し、一度付き合いが始まると、真剣に結婚を考えるようになります。ただし、このふたりの組み合わせはかなり地味な運勢を持ち、ドラマティックで華やかな人生は望めません。地味でも平和で堅実なほうがいい、と望むなら結婚も決して悪くはありません。