一般的に赤同士の相性は、ある特別な場合を除いて、あまりよくありません。というのも、赤は自分とよく似た人間、よく似た要素を持った人間が好きではないのです。もともと赤は気難しいところがあり、本来、誰とでもうまくやっていけるタイプではありません。人に対しての警戒心が強く、慣れるまでに時間がかかるのです。
また赤は、精神的に子供っぽい人が多く、自分の感情をうまく隠すことができません。嫌いなら嫌い、苦手なら苦手、と態度に表してしまうのです。そのため集団の中では、自己主張が強く、怒りっぽい人……と受け取られることもあります。赤は本来、正義感が強く、和を重んじ、周囲に対して思いやりもある人なのですが、感情のコントロールができないために、つい子供じみた振る舞いをしてしまうのです。
赤はそういった自分のウィークポイントがよくわかっているため、同様の欠点を持った人間を許しません。自分は結果的に子供っぽく振る舞ってしまうが、相手には大人であって欲しいと、自分のことを棚に上げ、相手に多くを望むのです。ですので、似た者同士の赤同士の関係は、よほどのことがない限り、なかなかうまくいきません。もっとも、赤同士のいさかいというのは深刻なものではなく、極めて表面的なものではありますが……。
赤同士は、世間では出会いやすい運命にあります。友人や同僚、上司と部下、兄弟姉妹、あらゆる場所で出会い、かかわり合いを持たずに生活することはできません。赤同士は、出会った最初から、相手に対しての苦手意識を抱きます。ケンカっ早いといわれる赤ですが、決してケンカが好きなわけではなく、極力争いを避けようとするあまり、相手から遠ざかろうとします。そんな態度がまたお互いを刺激し、ふたりの溝をどんどん深くしてしまうのです。
同性同士の赤は、出会った当初からお互いに近寄ろうとはしないので、本人たちが意識するほど大きな問題には発展しません。赤は常識人なので、ウマが合わない人間と行動を共にし、わざわざトラブルの種を増やそうとはしないのです。ところが赤が異性同士の場合は、そうはいきません。相手を知る前に、男女として深い関係を持ってしまい、後で相性に悪いことに気づく、ということもあるからです。
赤同士の恋人は、出会ってすぐにカーッと燃え、ベッドに入るのも早いのですが、うまくいかなくなるのも早く、大衝突して別れます。本来、赤は相手をコロコロ変えるより、ひとりの人とじっくり付き合うタイプなのですが、赤同士の組み合わせになるとストレスがたまり、長続きしません。客観的に見ると、ささいなことでぶつかり合い、簡単に克服できそうに見えるのですが、赤はそのささいなことにこだわり、許そうとしないのです。
もちろん、赤同士のカップルが100パーセントうまくいかないというわけではなく、ある条件をクリアできれば、最高のカップルとなる可能性も残されています。それは、ある程度の人生経験を経て、他人を受け入れる余裕ができた赤同士の場合。自分の悪い癖を自覚し、相手の立場を考え、感情をコントロールできるようになった大人の赤同士なら、相性の悪さが一転、かけがえのないパートナーとなる可能性があるのです。