黒同士の相性運は、決して悪くありません。元来、個性的でマイペースな黒は、周囲の人間と歩調を合わせるのがあまり得意ではないのですが、よく似た者同士で理解ができ、一緒にいると珍しく落ち着いた気分が味わえます。ただし黒同士の組み合わせは、当人同士はよいのですが、周囲にとっては、ふたりしてドロップアウトしかねない、ちょっと不安な組み合わせ、と感じられることもあります。

黒はとても複雑なキャラクターで、自分が大好きで天才的な才能があると自負している反面、コンプレックスが非常に強い部分もあります。いつも両極端な感情の間で精神のバランスをとることが難しく、表面からは見えませんが、心の内側では常に葛藤を感じています。そんな黒独特のキャラクターゆえ、社会の中では、わがままで自己中心的な困った人、と受け取られることもあります。

その一方で黒はたいていの場合、何かのジャンルで、エキスパートであることが多く、凝り性で探究心、集中力があり、その点においては周囲から一目置かれています。ただし、自分の得意ジャンルにおいては知識が豊富なことを、過剰に意識する傾向があり、そんな態度が周囲からは敬遠されてしまいます。

黒のよい部分は、確固たる自分があることですが、悪い部分は、なかなか他人を認めないことです。人を愛しはするし、友人をつくりはするけれど、素直に認めたり尊敬できないのが欠点で、コンプレックスの強さが、他者を正当に評価できない遠因になっています。社会の中で自分を孤高の場所にわざわざ追い込み、一匹狼を気取る黒ですが、決してひとりが好きなわけではなく、けっこう寂しがり屋であったりもします。

簡単に人を寄せつけない黒も、似た者同士なら安心してくつろげるところがあり、したがって黒同士は、出会うと同性同士でも異性同士でも吸い寄せられるように結びつきます。ただし生来がマイペースな性格。２４時間一緒にいることは苦痛で、それを強要されると、大衝突します。

黒は異性同士であっても、同棲、結婚にはあまり向かず、恋人関係、友人関係でいるのが最も落ち着き、またお互いのよい面を引き出せる状態です。黒は常に相手に適度な刺激を求めるタイプなので、ずっと一緒にいることで、相手の魅力が色あせてしまうことをとても恐れます。と同時に、自分も色あせた存在と映るのが、死ぬほど屈辱でもあるのです。

生活が安定しかかると、自ら壊し、新たな苦難を求める。黒にはそういった性癖があり、似た者同士が一緒に行動すると、ますますその傾向が強まります。ですので、このふたりの相性はよくても、迷惑するのは周囲なのです。元来、自分本位のところがある黒ですが、よく似た仲間ができたことで、行動を正当化し、ますます図に乗ってしまうのです。

他人の入り込めない、ふたりだけの世界はとても居心地のよいものですが、ふたりして社会からドロップアウトしてしまうことだけは避けなければいけません。黒同士の組み合わせは、それぞれの感性、個性を生かし、創造的な仕事につくと大きな成果に結びつく可能性があります。客観性を忘れずに行動すれば、よりよい運が巡ってくるのは確実なので、その点だけには注意しましょう。