黒とグレーは、よく似た面があり、けっこうよい相性運を持っています。黒は元来、他人に対する関心が薄く、社会の中ではマイペースな人間と受け取られる傾向があります。生き方、暮らし方に確固たる自分の世界があって、他人と歩調を合わせるのは得意ではありません。また、とても不器用な面があり、他人と思うように会話ができないという人もいます。
黒は、普段おしゃべり好きなほうで、特に自分にとって興味のある分野だと、立て板に水のごとく語れるのですが、自分の気持ちや感情を表現しなければならないシーンでは、とたんに不器用になってしまいます。それは人の気持ちがわからない、共通感覚が持てる言葉が探せない、ということが原因でもあります。黒は自分の感情を抑えたり、相手の気持ちを探ったりするのが苦手なため、大切な場面では誤解をされてしまうのです。
一方のグレーは、黒ほどの強烈さはないのですが、他人と上手にコミュニケートできないという面で、よく似たところがあります。ただグレーは、人に対して押しが弱く、自己主張をあまりしないので、一見そうは見えないのです。グレーは、確固たる自分の考え方があり、社会に迎合はしませんが、あえて敵対しようともしません。それほどのエネルギーはない、といったほうが正しいかもしれません。
自分が受け入れられないことに関しては、とことん反発しようとする黒とはその点が異なり、このふたりは、表面上は似ても似つかないタイプに見えるでしょう。ですので出会った当初は、会話を交わしてもあまりはずまず、付き合いもすぐには進行しません。同性同士ではなおさらで、何回か会話を交わし、プライベートなことがわかって初めて、自分たちはよく似ているのかもしれない、と気づくのです。
黒とグレーが異性同士の場合は、同性同士よりも早く、気持ちの上で結びつきます。特にグレーが黒に対して憧れを抱き、積極的な関心を示します。他人に関心を示されることが大好きな黒は、それがきっかけでグレーをよく見つめるようになり、唯一、自分を理解してくれる人かもしれない、という期待を抱きます。
他人同士である限り、何もかも理解しあうことは不可能ですが、このふたりはかなりそういった喜びを分かち合うことができます。ひとりでいるとあまり元気が出ない黒もグレーも、理解者を得て勇気づけられ、お互いのよい面を引き出します。ややネガティブな傾向があった人生観もポジティブに傾き、特に創造性を生かす仕事では、大きな力を発揮します。
黒とグレーが異性同士の場合は、友情から恋愛、結婚へと結びつく可能性が大ですが、ふたりの関係は対等ではなく、ややグレーが黒をおもりする状態となります。またそのほうが平和を保つことができます。自分本位な黒にとって自己主張が少ないグレーはある種、楽な存在で、恋人時代や結婚生活が長くなると、だんだん軽んじる傾向が見られるかもしれません。グレーにとっては、自分が利用されているような気持ちがするかもしれませんが、黒の甘えは絆が深いゆえで、焦らずに手の中で遊ばせているくらいの余裕を持てば、とてもよい運を保つことができるでしょう。