グレーと白は、それぞれに少数派であるため、なかなか出会う機会がありません。また、出会ったとしてもお互いに関心を持ち合うことがまれで、そのまますれ違ってしまう可能性が高い運命を持っています。グレーと白は、基本的な相性は可もなく不可もなくです。よほどの必然性がない限りふたりは結びつくことはありませんが、その必然が起きた場合は、長い長いお付き合いとなります。
グレーも白も優雅で物静か、人と争うことをしないため、あまり目立ちません。ふたりとも優秀な頭脳と繊細な感性を持ち、芸術を愛し、その生き方はアーティスティックでもあります。一見、その個性は似ているように見えますが、性格はまったく異なっています。グレーは人と争うのが嫌いなだけで、世の中ではどんな争いが起きているかを、よく知っています。つまり知っていながら、競争社会に身を投じないだけなのです。
一方の白は、争ったことがない、または争いがあることを知らなかったりするような、浮世離れした面があり、よくも悪くもマイペースな人です。自分の中に確固たる美意識や生きる哲学があり、他人の意見に振り回されることはあまりありません。そしてグレーは、社会からドロップアウトすることを恐れ、周囲を気遣うあまり、人に振り回されてしまう面があります。分別も批判精神もありながら、人と真正面から向き合うことが苦手で、つい人に道を譲ってしまうのです。
グレーは、白のようなタイプの人間に出会うと、理由もなく威圧感、コンプレックスを感じてしまいます。また異性同士の場合は、憧れの気持ちを抱くことがあります。一方の白にとってのグレーは、あまり印象には残りません。会話を交わしても、好感は持てても強い興味は引かれません。ただグレーの細やかな気遣いは白にとって心地よく、このふたりが異性同士ならば、主従関係に似た形で付き合いが始まることもあります。
グレーと白は、かなり特殊な場所で出会うような暗示があります。たとえば、学校で教師と生徒として、または病院で医者と患者として、あるいはリハビリ施設でトレーナーと患者として……などです。そのほか、日本の伝統工芸の世界や、美術、クラシック音楽などに関係する場所で、共通の趣味を持った仲間として、出会う可能性もあります。
グレーと白が異性同士の場合、恋愛、結婚の可能性はあるのですが、多分にグレーが白のわがままを許し、おもりをするような状態となります。もともとグレーは人に道を譲るタイプです。一方の白は、他人のことはまったく想像できず、その道を進みたいと思ったらまっすぐ進むタイプ。必然的に、グレーが白のわがままを許す形になってしまうのです。
このふたりの組み合わせは、双方に物質的な欲がないため、大きな金運や仕事運は舞い込んできません。一緒に運命を切り開いていこう、という積極性はほとんど見られず、結果的に流れに身を任せるような生き方を選んでしまいます。ところが、自分たちにそういった意識はないため、特に自分の習慣を変えようとか、生き方を変えようとかいう気持ちになりません。
グレーは、社会での競争力に乏しく、一方の白は人に与えられることに慣れているため、周囲のサポートがなければ、ふたりの結婚生活はうまくゆきません。どちらか片方、あるいは両方が資産家の場合、または何らかの経済的な支援を受けているなら、それぞれの個性を殺さずに生きてゆくこともできるでしょう。もっとも運は、自分の意思で変えてゆくこともできるのですから、できたら自ら切り開いてもらいたいものです。客観性を持ち、積極的な生き方を選ぶ。できる限り社会活動に参加する。そういったことで、可もなく不可もないレベルのふたりの相性運も、上昇に転じるはずです。