本格寿司バーを設置した『P』は、赤坂で話題となり、大ヒットした。といっても、ヒットしたのは無料の寿司バースペースのみ。カジノスペースには、さっぱりお客が寄りつかなかったのである。不幸なことに、『P』のお寿司の味が良すぎたため、誰も彼もが「サービス荒らし」となって、この店を襲ったのであった。ちなみに、『P』の寿司バースペースの仕入れと人件費にかかったコストは、月に1200万円超だったという。たいへん残念なことにこの店は、それから数か月で消滅した。
その後、カジノバーはお上の「手入れ」などもあって一気に衰退した。ここ最近、再びカジノバーがポツポツと増え始め、復活の兆しを見せているが、以前のような景気のいい話は、さっぱり聞かれない。抽選で1等賞に車やミンクのコートを振る舞ったり、フレンチフルコースや、寿司バーを企画したカジノバーの豪傑オーナーたちは、今はどこでどうしているのだろうか。
しみじみ、あのバブリーな日々に思いを馳せる今日このごろである。
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