世界最大のギャンブル都市ラスベガスは、アメリカ・ロサンゼルスから車で約6時間、飛行機で約40〜50分の距離にある。これまでさまざま国のカジノを訪れた私だが、もしその中でたった一か所、好きなカジノ都市を選べと言われたら、私は迷わずラスベガスを選ぶ。

カジノ収入はネバダ州の財源の3分の1を占め、州の住民の4割がカジノ関連事業に従事し、年間3000万人(日本人は内50万人)の観光客が訪れるというラスベガス。カジノの数、客に対するサービス、ゲームの種類の豊富さ、どれひとつとっても他の都市は、ラスベガスにかなわない。何回訪れても私は、「やっぱりこの街は、気合いが違うなあ」と思うのである。

 

 

ラスベガスは「イモ」っぽい?
 

海外カジノ好きの仲間に「ラスベガスがいちばん好き!」と言うと、「うーん、ラスベガスってちょっとイモっぽくない?」と、言われる。
その人は、いわゆる海外カジノの“通”で、あちこち歩いた結果ラスベガスを改めて見ると、イモっぽさがとても鼻につく、と言うのだ。
また別の人は、「やっぱり歴史と上品さ、豪華さではヨーロッパのカジノだよね。特にドイツのバーデンバーデンが世界最高!」とか、「適当にリッチなムードを楽しめて、しかもフレンドリーなカジノはオーストラリアだよ」などという。いわゆるカジノ通の人たちが見るとラスベガスは、田舎者が集まるところ、ギャンブル初心者が好むところ、というイメージがあるらしい。

だが私は、どんなに他の国のカジノ都市に行ってみても、ラスベガス以上にいいとは思えないのだ。その最大の理由は、「ラスベガスは、自分のサイフの都合に合わせてカジノをいくらでも選べる」からである。
サイフの都合、つまりはギャンブル予算ということで、ラスベガスはカジノの数が多いだけに、ありとあらゆる階層の人間が遊べるようにできている。つまり、アラブの超お金持ちからビンボー学生まで、その人のサイフの中身に合った楽しみを見つけることができるのだ。
この予算に合ったゲームを選ぶことができるというのは、“遊び”でギャンブルをやる場合に重要な条件だと私は思う。

 

 

アメリカのカジノはリーズナブル

カジノでは、どのテーブルにも、必ず最低賭け金(ミニマム)というのが決められているが、このミニマムが高いと私のようなビンボーギャンブラーは、たいへん困る。たとえばヨーロッパ。モナコでもニースでもサンレモでも、あちこち足を棒にして歩きまわったが、「安いレートのカジノ」はない。ブラックジャックをやると安くても1回のゲームが1000円〜1500円(2001年5月現在)。この金額がたった1回カードを配られるだけで消えてしまうのだから納得がいかない。韓国はさらに高く、約1600円。マカオは約1900円。つまり1万円あってもたった5〜6回しかゲームを楽しめない計算だ。

それに比べ、アメリカのカジノはリーズナブルだ。たとえばラスベガスには、1回の賭け金1000ドル(約12万3000円)以上なんていうテーブルもあってびっくりさせられるけが、一般的には5ドル(約615円)で遊ぶことができる。さらに探せば2ドルや1ドルで遊べるカジノもたくさんある。

 

 

 

ツキのないときの厄落しは安いテーブルで

ギャンブルをやっていると、自分のツキが上向いたり下がったりするのを感じることができるが、私の場合は、このツキのバイオリズムをキャッチし、勝ちパターンに持っていく、というのが必勝法のひとつと言われている。

バイオリズムをつかむためは、ひとつのゲームを長時間やることが必要で、そのためには「決して最初から高いテーブルでゲームをやらない」と、いうのが私のルールである。つまりは、ツキがなくて負けが重なるとき、高いテーブルでゲームをしていると、たちまち元手が消えてしまうからだ。

「ツキがないならやめたらどうだ」と言われそうだが、バイオリズムというのは不思議なもので、ツキのないときでもゲームをやり続けていないと決して上向きの波がめぐってこない。負けたから、といってその時点でゲームをやめてしまうと、やっぱりその次も勝てないのである。

だからツキのないときには、負けることを前提として安いレートでコツコツゲームを重ね、ひたすら耐え忍ぶ。波が上向きになってきたな、と感じたら一気に高いレートで勝負に出る。ギャンブルでは勝ちの数より負けの数が多くても、賭け金をうまく使い分ければ、最終的にはプラスにもっていくことができる、という理論がある(あくまでも理論だが)。つまり、ツキのないときの厄落しには、レートの安いテーブルが必要なのだ。

そう、私がラスベガスが好きな理由は……安いテーブルがあるからである。