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3年前のラスベガスでのこと。
そのときの私は絶好調で、1回10ドルのブラックジャックをコツコツと勝ち続け、1週間の間に日本円にして80万円を貯めることができた。すっかりいい気になった私は「よーし、次は1回数十万円単位の大博打を打つぞ! 今回はツイてるから、もしかしたら1千万円稼ぐのも夢じゃないかも…‥」などと欲を出し、バカラのテーブルに座ったのがいけなかった。
それまでと打って変わって、バカラのカードはことごとく裏目。「どうして!? なんでこうなるわけ!?」と、不思議に思うほどの運のなさで、最初に持っていた80万円はアッという間に消滅してしまったのである。
「ちっくしょー、熱いぜ」と、頭に血がのぼった私は、財布を取り出し、有り金全部をはたいたが…‥とうとう最後まで取り戻すことができなかった。元の80万円に、後からつぎ込んだ分を足して計130
万円をスルまでに要した時間は、たった20分であった。
「あそこでやめておけば」と後で悔やんでも始まらない。食事代もなくなってしまった私は、カジノに設置してあるクレジットカードのATMでキャッシングをして、翌日すごすごと日本に帰ったのであった。
私のように、一瞬の間に所持金全部をスッてしまうケースは、珍しくない。カジノではごく日常的なドラマである。
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