膨大な赤字財政を解消しようと、石原東京知事が思いついたのが、“お台場カジノ構想”。本当に実現するかどうかはともかく、カジノをつくれば、相当なお金が東京都に落ちるのは確かだ。

特に日本の場合、競輪、競馬にパチンコ、TOTO、宝くじ……一般に賭け事と称される遊びは、どう転んでも主催者、つまり胴元が儲かる仕組みになっている。たとえば宝くじ。1枚100円のだろうと1枚300円のジャンボくじだろうと、売り値の半分以上を税金として胴元、すなわち国に巻き上げられてしまう。こんなにアホらしい話はない。

 

日本のギャンブルは換金率に難あり!
 

控除率こそ違うけれど、すべてのギャンブルで、売り上げのかなりの部分が税金という名のテラ銭として、国に持っていかれてしまう。だから石原都知事のつくるカジノが実現したとしても、日本のギャンブルに対する慣習を考えると、換金率は相当悪くなる? ような気がするが……。

では、そんなギャンブラーにやさしくない日本と比べ、海の向こうはどうだろうか? 海外のカジノでは、基本的にはゲームで勝ったお金は、無税で受け取ることができる。しかも、すべて等価交換。10万円勝ったとしたら、そのまんま10万円の収入というわけだ。(ただし一部のカードゲームとスロットマシンの、一定額以上の大当たりに対しては、旅行者にも30%程度の税金がかかってくる。またアメリカのインディアン自治区にあるカジノでは、ゲームに税金が課せられるところが多い)

 

 

スロットマシーンに手を出してはいけない

カジノに一歩足を踏み入れると、さまざまなギャンブルが旅行者を迎えてくれる。ブラックジャック、ルーレット、ポーカー、バカラ、スロットマシーンと、いろいろあるが、旅行者でも儲かりそうな種目は何だろうか? 

消去法で考えていくと、まずスロットマシーンが姿を消す。当たれば大金が手に入るが、確率からいっても最も不利なのがこれ。ラスベガスのカジノの利益の、実に70%はスロットマシーンがたたき出している事実を知れば、これに手を出すのがどれほど危険がおわかりいただけるだろうか。

そして次に不利なのはルーレット。プロのディーラー相手だから素人ではなかなか勝てない。なぜなら、ルーレットは決して「偶然」のゲームではなく、キャリアのあるディーラーは、自在に思った目を出すことができるのだ。したがってルーレットの出目をつけ、確率論にしたがってチップを張るなんて愚の骨頂。まともに張り合っても、素人客が勝てるゲームではない。

 

おすすめはブラックジャックとバカラ

ということで、勝つ確率や親(ディーラー)との優位性を考えると、ブラックジャックとバカラが最もましなゲームということになる。ただし、バカラは動くお金が大きく、よほどのお金持ちでないと続けられないと思う。

バカラのプロといわれる人は、勝ったり負けたりしながらも、長時間続けることで勝率を上げる。全体の流れを読み、自分のバイオリズムをコントロールしつつ、チャンスを待って大賭けする。だから、その長いゲームにずっと付き合えるだけの財力がないとダメ、というわけだ。

 

 

カジノゲームならブラックジャックに限る

ラスベガスのカジノ関係者に話を聞いてみると、カジノにとって最も儲からないゲームはブラックジャックなのだそうだ。

その勝率は、どこのカジノでもほとんど5割前後だとか。つまり、観光客でも充分に勝負できるゲームというわけだ。
「儲からないのがわかっていて、なぜカジノはブラックシャックのテーブルを置いておくんですか?」と、たずねたところ、カジノ関係者からは、「観光客に対するサービスなんですよ」という答えが返ってきた。

そして「少しは観光客の方に勝って帰っていただかないと……」とも言った。つまりカジノは、観光客を引き寄せるためにブラックシャックテーブルを置き、それでそこそこ勝ってもらい、ついでにスロットやルーレットもやってくれれば、それで充分なのだ……と。それで充分、儲かるのだ……と。

結論。カジノに行ってゲームをするなら、ブラックジャックに限り、勝ったら他のゲームには見向きもせず、さっさと帰ること。それ以外のカジノ必勝法は、見つかりそうもない。

ではブラックシャックでも負けたら? 
とことん運がなかったと思って、あきらめるしかない。