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ヨーロッパではルーレットがカジノの主役

数学者のパスカルが確率論の研究のため発明したのが最初とされるルーレット。別名“カジノゲームの女王”と呼ばれるほど人気が高く、とくにヨーロッパのカジノには欠かせないゲームとなっています。ディーラーが投げ入れた白い球(かつては象牙だったが、今ではプラスチックがほとんど)が、くるくると回る回転盤(ウィール)のどこに落ちるかを予想するだけの、とてもシンプルなゲームです。

ルーレットには特にこれといったルールはなく、ディーラーがウィル(回転盤)の中に球を投げ入れた瞬間から「ノーモアベット」と声がかかるまでの間、好きな数字を選んで何か所でもチップを置くことができます。たとえば「8」と書かれたワクの中にチップを置き、ウィルの中で回っていた球がみごと「8」におちれば大当たりで、1ドル賭けていれば配当金35ドルに元金の1ドルを合わせた36ドルが返ってきます。

ルーレットの賭け方

ルーレットにはいろいろ賭け方があります。もっともポピュラーなのがストレート賭けとよばれる賭け方で、ズバリひとつの数字に賭ける方法です。1
から36までの数字と、0、00を合わせた38個の数字の中から、好きな数字に好きなだけお金を賭けます。賭ける数字に制限はなく、極端な話、全部の数字に100ドルずつ賭けることも可能です(ただし、この賭け方は、ほとんどの場合、儲かりませんが……)。ふつうは自分のラッキーナンバーとかに賭ける人が多いようです。

ひとつの数字に賭ける方法のほか、ふたつの数字にまたがって賭ける方法(配当は18倍)、3つの数字に賭ける方法(配当12倍)、6つの数字に賭ける方法(配当6倍)、12個の数字に賭ける方法(配当3倍)、18個の数字に賭ける方法(配当2倍)、球が落ちる数字が偶数か奇数か、赤か黒かなどを当てる賭け方(配当は2倍)もあります。

また、アメリカやアジア、オーストラリアなどのカジノにあるルーレットには0(シングルゼロ)と00(ダブルゼロ)が、ヨーロッパのカジノにあるルーレットには0がひとつだけついています。ここに球が落ちるとカジノ側の総取りとなり、0、00以外に賭けたチップはすべて没収されてしまいます。ただ、この0や00は普通の数字と同じように賭けることもできるので、大金を賭けたときには必ず0、00にも保険としてチップを置きましょう。

ルーレットに必勝法はあるか?

前章でも触れたように、ルーレットには、ヨーロッピアンタイプとアメリカタイプの2種類があります。親の総取りとなる0がひとつしかないヨーロッピアンタイプに比べ、アメリカンタイプは、00が加えられ、数字の配列も異なります。この数字の配列を見ると、このふたつのルーレットは同じ構造に見えながら、実はまったく別物であり、当然、必勝法も違ってきます。

ヨーロッパのカジノではほとんどがヨーロピアンタイプで、当然のごとくアメリカでは、アメリカンタイプが使われています。オーストラリア、ニュージーランド、韓国、東南アジアではアメリカンタイプが主流です。最近のヨーロッパでは、アメリカンタイプを置くところも増えており、オランダのカジノでは、ヨーロピアンとアメリカンが半々で置いてあります。ただし、スペインの一部、モナコなどに置いてあるアメリカンタイプは、数字の配列はヨーロピアンと同じのまま、00を増やしただけの、「偽アメリカン」です。

もともとは、ランダムに落ちるように作られたルーレットですが、時に馬鹿ヅキした人にそのまま勝ち逃げされてしまう可能性もあり、これではカジノが商売あがったりと、新たに開発されたのが、アメリカンタイプのルーレットでした。これは、数字の配列が変えられ、ディーラーにとって狙いやすいようになっています。実はアメリカンタイプのルーレットは、カジノ側にとって有利な、つまりお客にとっては不利なゲームと言えるのです。ですので、アメリカンタイプのルーレットで遊ぶ場合、確率論に従って出目を予測するのは、「ナンセンス」ということになります。

ラスベガスでは、ベテランディーラーなら、かなり高い確率で、自分の任意の数字に球を投げ入れることができると言われています。ディーラーが10回中10回、狙って投げることはありませんが、お客にツキがあり、あまりに稼ぎ過ぎると、回収のために狙って投げてきます。もしあなたが初心者で、運を天に任せてゲームをしたいのなら、ヨーロピアンタイプのルーレットがお勧めです。アメリカンタイプのルーレットでも、たまに勝たせてはくれますが、長時間やり続け、チップが増えてくると、必ず回収にかかります。

ですので、アメリカや韓国、東南アジアでルーレットを楽しむなら、長い時間は続けない、または大当たりをしたら、その時点でサッとやめる、というのがコツです。また、ラスベガスには2か所ヨーロピアンタイプのルーレットを置いてあるカジノホテルがあります。ストリップ大通りに面したモンテカルロと、ラスベガスタワーを併設したストラトスフィアです。

また、マカオでは絶対にルーレットをやってはいけません。マカオのルーレットは、お客がすべてチップを張り終わった後、ディーラーが球を投げるシステムです。いわゆる「後張り」は、認められていません。つまり100パーセント、チップが置かれたところをはずすように狙って投げてくるので、やるだけお金の無駄です。これほど、露骨にお客に勝たせないカジノは、世界広しと言えども、マカオだけでしょう。最も、マカオはブラックジャックのルールもきつく、お客の勝率がものすごく低いところ。マカオのカジノをのぞくのはいいのですが、間違っても「勝つかもしれない」とは、思わないことです。

さて、アメリカンタイプのウィールでのルーレットですが、狙って投げるディーラーへの対抗策もないわけではありません。例えば、ディーラーが球を投げ入れた直後、5秒〜10秒以内で、ウィールの落下予測地点の前後5目にチップを張る……といったような技もあるのですが、これはもうプロの域。ビギナーにできることではありません。また、こういった方法も、中途半端に行うと大怪我につながることもあるので、ここで触れることはやめておきます。

ラスベガスや、日本のアンダーグラウンドカジノのルーレット勝負では、ディーラーとセミプロの、それぞれの技を競う一騎討ちをたまに見ることがあります。そういった状況では、ルーレットは、ゲームなどという生易しいものではなく、まさしく格闘技だな、と痛感させられます。