ネフローゼ症候群による腎機能の低下が認められる場合に、妊娠がまったく不可能というわけではありません。しかしながら、妊娠中は子宮の中で胎児を育てていくわけですから、腎臓には普段以上に負担がかかります。また、妊娠前は健康であったかたでも、むくみや蛋白尿、高血圧という妊娠中毒症の症状が出ることがあり、もともと腎機能が低下している場合には妊娠中、厳重な管理を要します。
ネフローゼ症候群の方は、まず現在の腎機能がどの程度なのかを妊娠前に充分把握しておく必要があります。腎機能の程度や一日の尿蛋白量、どのくらいの期間安定しているかなどにより、妊娠が可能な場合もあります。
腎臓の専門医から妊娠可能という判断をもらえれば、妊娠した後のフォローが可能な、腎臓の専門医がいる総合病院で妊婦健診を受けることが望ましいです。(2002.4.8) |