ハリウッドでは美容整形は当たり前!?

ハリウッド
日本の女性誌で「美容整形」の特集を組むと、決まって取り上げられるのが「ハリウッドの最新整形美容事情」とか「オスカー女優○○は美容整形の常連か!?」なんていう記事。
実際、ハリウッドのスターたちは美容整形をどう思っているのかというと、これがなかなか微妙。美容整形を肯定的に考えている人もいれば、メスを入れられる恐怖に「もうたくさん!」とうんざりしている人もいます。

人気テレビドラマ『Hey! レイモンド(Everybody Loves Raymond)』に主演し、エミー賞を受賞したパトリシア・ヒートンは、美容整形賛成派です。彼女は4人の子供を持つママさんスターですが、その輝くような美貌を保つには大変な努力を重ねてきました。授賞式当日も、エリー・サーブのドレスを身にまとい、トニー・デクエットの豪華なジュエリーで飾りたてたボディは、あくまでキリリと引き締まり、それでいて見事なバストはとても40代後半とは思えないほど。会場の誰もがため息をついていました。

ところが、パトリシアのこうしたゴージャスなボディはすべてが美容整形の賜物だとしたら、あなたはどう思いますか? エミー賞の授賞式で、テレビや雑誌のレポーターたちは、彼女にマイクを突きつけ、こんな風に聞きました。

「あなたのボディは美容整形? 」
「イエス!」

彼女はなんのためらいもなくこう答えたのです。

「歳をとるに従って若く見えるようになる」……といわれるのが、ハリウッドの常識。赤絨毯の上を歩きながら、女優たちは、授賞式に何を着るかといった話題とまったく同じ熱の入れようで、美容整形の話をしているのです。ロサンゼルスの美容外科では、予約を入れてから2〜3か月待たされるのはごく当たり前のこと。芸能界入りを目指す人にとって、美容整形はお化粧感覚に近くなっています。 
  
ただし、ハリウッドの女優がみな美容整形を肯定しているわけではありません。中にはきっぱりと「ノー」と答えるスターもいます。たとえば『エデンより彼方に(Far from Heaven)』に主演し、アカデミー賞にノミネートされたジュリアン・ムーアは、美容整形反対派です。

「当たり前だけど、今の私が10年前、20年前の私に見えるわけがないわ。これが今の私の姿だし、それで充分満足しているわ。私が不思議だなと思うのは、手術を受けた人が、必ずしも若返るわけではないということ。不自然さが目立って、かえって溌剌とした若さを失ってしまうことがある……ということね。だから美容整形を受けた、と世間にも知られてしまうし、美に対するセンスも画一的になってしまう。できたら、“美しさとは何か?”ということに対して、みんなもっと考えてほしいわ。美しさに対する基準や考え方は、人それぞれ違うのだから」

ジュリア・ロバーツは賛成派。ある雑誌のインタビューで美容整形についてこう語っています。

「美容整形の怖さは、それは大変なものよ。でも美容整形を受けることで、幸福な気持ちになり、人生が豊かになるなら、やってみるべきだと思うわ」

シャロン・ストーンは、中立派。

「私は美容整形については、ほとんど素人。だけど、それを受けたいと思う人は自由にすればいいと思う。その結果、その人が人生に前向きになれたり、幸せな気持ちになるなら、それはそれでいいことではないかしら。ただし、私は美容整形にはまったく感心がないの」

キャサリン・ゼタ・ジョーンズもシャロン・ストーンと同意見。

「幸福な気持ちになれるなら、なんでもやってみることね。人生は短いんだから。今、あなたが不幸な気持ちでいて、もし美容整形でそれが解消されるなら、すぐにでも手術を受けるべきね」

歌手のマドンナは、こんな意見を持っています。

「美容整形のことなんて考えたくない。だけど、もしその結果、永遠の若さを手に入れ、魅力的になれるなら何も言うことはないわ。でも、誰かが自分を眠らせ、その間にメスを入れると考えると、それもぞっとするわね」

ミラ・ジョボビッチは、今のところ美容整形とは無縁のよう。

「あちこちで、“私、ちょっとした整形を受けているの。わからないでしょ”なんて話を聞くけど、私は美容整形は過去にも受けたことはないし、これからも受けるつもりはないわ。もうちょっと胸が大きければ、なんていつも思うけど、そのために豊胸手術を受けようなんて決して思わないし……」
さて、あなたは美容整形について、どう思いますか。賛成? それとも反対?
カオリ・ナラ・ターナー
日本人初のメイクアップ・アーティスト・ユニオン正式会員であり、ハリウッドで働くメイクアップ・アーティスト。アカデミー賞受賞作品『アメリカン・ビューティー』や人気テレビ番組『アリー・myラブ』などで活躍する他、後進の日本人の指導にも精力的にあたっている。