アウェイで快勝のワールドカップ予選からJリーグの泣けるイイ話まで

少し空いてしまいましたが、ワールドカップ予選は11月19日のアウェイでのカタール戦もあり、U-17とU-20の女子ワールドカップもあり、Jリーグは全日程を終了し、J1・J2入れ替え戦もあり、現在はクラブワールドカップの開催中…という時間の移り変わりです。

ワールドカップ・アジア最終予選(VSカタール)


ぶっちゃけアウェイで3-0の快勝。これは見事でしたよね。

ま、普通に日本チームが戦えば、これくらいにはなります。普通ができないところがフットボールの怖さであり面白さなんですけど。そして日本チームのナイーブさ、もあるよね。

カタールも監督がブルーノ・メツに替わって、前からプレスをかける近代的なフットボールをしようとしていたように見受けられるので、それが逆に日本チームにとっては良かったかもしれませんね。元々アラブのチームは引きこもってカウンターというガチガチ戦術で、それが厄介だっただけに、ね。カタールくらいだと、まだまだ近代的なフットボールが消化されるには時間がかかるし。

ただ、次の日本ホームの試合(来年6月10日)ではまたガチガチ戦術で来るかもしれない。

そうすると、ホームではかえってプレッシャーがかかるのか、動きにキレが出ない傾向にある日本チームとしては苦労するかもしれない。

この試合で目についたのは玉田の「自覚に目覚めた」ようなパフォーマンス。

これからはいつもそれくらいやってくれ。あ、そうそう、この試合での2点目は長谷部の落としをペナルティアリア外から豪快に蹴り込んだ玉田のシュートだったのだが、あのシュートについて玉田は試合後「(シュートの?)打ち方がわかった」みたいなコメントを出していたようだ。

そうだよ、ああいう場面ではアウトにかけてね、足を振り抜き過ぎないように蹴るのだ!…って、今ごろそんなこと言ってんのかよ〜はぁ〜って感じだ。

ジョークないしは謙遜ないしは照れだと思っておこう。

カタールのメツ監督の試合後のプレスインタビューの中で「今回の試合で日本の強さを痛感した」というコメントは率直に嬉しいね。

メツは日本代表監督に関心があるとか聞いているけど、どうかね?

もうUAEやカタールの監督をしてしまったので、日本サッカー協会としては out of sight だろうな。

これで勝点を7まで伸ばした。

次は来年2月11日のホームでのオーストラリア戦。

オーストラリアも結構つまらない内容なんだけど、アウェイで2勝つかんでしまったので(あんなオーストラリアに2勝させてしまうアジア諸国がブーなんだけれども。せめてドローにはしてくれなきゃ)、現在グループトップの勝点9だ。なんかほとんどオーストラリアと日本の勝ち抜けが見えてきたけれども、次はホームなんだし、きっちり勝って、グループ首位云々はどうでもよくって、とにかく勝点を10に積み上げましょうぜ。

U-17&U-20の女子ワールドカップ


U-17の女子ワールドカップが10月28日〜11月16日の期間、ニュージーランドで開催されました。日本チームはグループリーグ初戦で、女子サッカーでは頂点のアメリカに3-2で逆転勝利するなど、イマジネーション溢れる攻撃が現地でも大人気。

もっとも、決勝トーナメント(クオーターファイナル)でイングランドにPK負けしてしまって、ベスト8止まりだったのは残念。

しかし、ベスト8止まりだったにもかかわらず、岩渕真奈が大会のMVPに選出されちゃったりして、本当に衝撃的だったんだろうなーという嬉しいハナシ。

また、U-20の女子ワールドカップは11月19日〜12月7日にチリで開催。

日本チームはここでもグループリーグで、これも女子サッカーの頂点であるドイツに2-1で競り勝つなど、素晴らしい戦いを見せました。

U-17よりも体格面での開きが出てくるU-20でドイツに勝ち切った試合は、確かに終始押され気味の展開だったけれども、ファインゴールで勝ち切ったという歴史的な勝利。1996年のアトランタ・オリンピックでのU-23がブラジルに勝った時のように、もっと「歴史的な勝利」として持ち上げられていいはずだ。

もっともU-17と同様、決勝トーナメント(クオーターファイナル)で敗れてベスト8止まり。男子でも女子でも、グループリーグで快調なパフォーマンスを見せていても、疲労も蓄積されるし研究もされるし、グループリーグでの戦い方、決勝トーナメントに入ってからの戦い方を考えないといけないな。でないと、いくらグループリーグで素晴らしくても上位には行けない。

しかし、北京オリンピックでも見られた日本の女子サッカーのイマジネーション溢れる攻撃とトータルフットボールは、確かに世界の女子サッカーシーンにインパクトを残している。

世界の舞台では、男子よりも女子のほうが戦績を残せる可能性が高い?…ということになってしまうね。少なくとも直近では、ね。

Jリーグ


J1はありえないほどの混戦で、優勝争いも残留争いも実に熾烈だった。

優勝争いのレベル(ハードル)が低すぎたという向きもあるが、私は存分に楽しめた。

最終戦は、鹿島アントラーズがアウェイでコンサドーレ札幌に負ければ、例年のごとくの大ドンデン返しだったのだが、アントラーズは昨年の浦和レッズのようなヘマはせず(レッズは昨年、今年のコンサドーレを同じくぶっちぎりの最下位の横浜FCにアウェイでよもやの敗戦で優勝の逃す)、堅く堅く試合をこなして優勝を勝ち取った。アントラーズは確かに充実しているし選手層も厚いけれども、リーグ戦を振り返っても上位チームには五分以下の戦績で、下位チームに取りこぼしの少なかったことが優勝に繋がったとはいえ、強さという点では物足らないね。

こういうチームはリーグ戦では手堅く結果を残せるけれども、トーナメントではどうかね。来年はアジア・チャンピオンズリーグで勝ち抜いて行ってくれるのだろうか?

最終戦は全試合同時刻キックオフなのだが、私が釘付けになったのは、ジェフ千葉の自動降格のかかった(ジェフはこの一戦で勝っても降格かもしれないが、とにかく勝っておくしかないという状況)FC東京との一戦だ。後半途中で2点のビハインド、しかしそれから大逆転で4-2の大興奮の勝利。

私、0-2となったところで「とうとうジェフも降格か〜」と思いました、正直言って。

東京ヴェルディとジュビロ磐田が負けたので、まさに奇跡! 入れ替え戦も脱出して一気のJ1残留が決まった。これは大興奮の展開だったよね。

そして、J1・J2入れ替え戦はジュビロ磐田VSベガルタ仙台に。2試合とも力の入った痺れる試合だった。

ま、J1・J2入れ替え戦の内容としてはぶっちゃけ近年で一番物足らないものだったけど、やはり「生活のかかった」試合は痺れる。

普段のリーグ戦からこういう風にどうしてやれないんだろう〜。

さて、最も感動したのは、ジュビロのホームで行われた第2戦の試合後だ。

この試合、ジュビロが2-1で勝ってJ1残留を決めたのだが、最後のロスタイムの1分間がこれまた超・痺れた。

2-2になればアウェイゴールでベガルタの昇格になるのだから…ベガルタの猛攻に思わず立ち上がってTVの前に駆け寄ったぞ(ペナルティエリア内からのベガルタのシュートの連続に「決まれ〜」と叫んだのはナイショだ)。

そして、試合終了後のジュビロのセレモニーが粛々と進んで、ジュビロの選手たちがバックスタンドに挨拶に向かおうとした時に、それまで静かにジュビロのセレモニーを見守っていたベガルタのサポーターが拍手…それに気づいたジュビロの選手たちが全員、わざわざベガルタのサポーターの前に進んで行き並んで挨拶…ベガルタのサポーターからさらに大きな拍手…そしたら、ジュビロのサポーターから「ベガルタ仙台!」の大コール…素晴らしい光景に涙が溢れた。

その一部始終がこちらで見られるので、どうぞご覧になって涙してください。

「J1J2入れ替え戦終了後のスタジアムの光景」
http://jp.youtube.com/watch?v=2rjbqLz4e1k

聞くところによると、鹿島アントラーズが優勝を決めた札幌ドームでも、コンサドーレ札幌のサポーターたちが優勝セレモニーの間ずっと静かに見守っていて、セレモニーが終わると「鹿島アントラーズ!」の大コール…それに対してアントラーズのサポーターも「コンサドーレ!」の大コールで応じたとか。

ジ〜ンと来るよね。

涙で終わるのもナンなので、笑いで終わりましょう。

J2最終戦の前にアウェイでJ1昇格を決めたモンテディオ山形の、ホームで迎える最終戦の試合前…もちろん、もう消化試合だ。対戦相手の水戸ホーリーホックのサポーターとの間の大爆笑のコールの応酬。

ホーリーホックのサポ「山形、山形」とJ1昇格の祝福コール…

モンテディオのサポ「抜け駆けごめんね」…
ホーリーホックのサポ「待ってろ、山形」…
モンテディオのサポ「待ってる、水戸」…
ホーリーホックのサポ「帰ってくるな」…
モンテディオのサポ「行ってきます」…
ホーリーホックのサポ「今日はもらうぞ」…
モンテディオのサポ「空気ヨメ」…
ホーリーホックのサポ「そっちこそ」…


「モンテディオ山形VS水戸ホーリーホック コール合戦」
http://jp.youtube.com/watch?v=xnY4L7z5ZS0

和みません?

(2008/12/16)