エルサレムの旧市街地内はこうした石畳の道と石つくりの家や教会が連続して続く。それも3つの宗教の寺が密接しているので、今キリスト教の寺があったかと思うと今度はユダヤ教の寺院。と、思ったら個人の家といった密接の仕方。
テルアビブより地中海沿岸・ハイファロードを自動車で1時間ほどいった所にある街・カイザリアにあるローマ水道。紀元前37年。ローマからユダヤ王に任命されたヘロデ王の命で建設された。カイザリアは時の帝王・シーザーの名にちなんで今でも残っている。

何の技術も資格も不必要!
ボランティアに求められるのは労働力援助

そんなことで出来上がったキブツですが、国家が独立し、さまざまな国からも承認されだすと、次第に多くの人はキブツから出て自立していった。しかし、ここでの生活を理想郷として考える人はキブツに留まり、いまだに大きな存在として残っているのです。
各キブツは一つの会社のようにそれぞれが農業や工業で得た生産物を外に流通させて生計を立てています。イスラエル人口の4,5%がキブツメンバーといいましたが、国民総生産の8%セント程度はキブツの産物が占めており、各国に輸出もされています。  
しかし、ギブツでは以前から不足しがちな労働力を補うのと、また、キブツの理念を外国人にも知ってもらおうということで外国人をボランティアとして受け入れているのです。
 日本でボランティアというと、社会貢献の意味に誤解されがちなので、特殊な技術やお金のかかる援助と考えられがちですが、そんなことはない。ここのボランティアはただの労働力援助。無報酬でも自発意思でやる意思さえあればOK。だから、日本でならアルバイトに頼むような単純労働をするだけ。給料はないが、代わり衣食住は提供してくれる。仕事はキブツ内の掃除や工場労働、草むしり、家畜のケアや子守りなどさまざま。それぞれのキブツによってもさまざま。

キブツ内で働くボランティア。メンバー皆が集まるダイニングで後片付け。ディッシュ・ウォッシュマシンが食器を洗ってくれるのでそれをコンベア回る皿やスプーン、ホークなどを回収、整理するものボランティアの仕事のひとつ。

ワールドワイドな国際性をキブツで満喫できる

ボランティアとして認められる年齢制限は30歳まで。滞在期限は通常3ヶ月。しかし、2年ぐらいまでなら延長も可能。また、他のキブツに移ることもできる。一つのキブツでは常時、約20〜50人のボランティアが滞在しています。国籍もさまざま。イギリス、フランス、ドイツ、スイス、イタリアなど地理的に近いヨーロッパ人が一番多いですが、その他アメリカ、アルゼンチンやコロンビアなどの中南米、あるいは南アフリカ、インド、韓国など。まさに世界のさまざまな国からの男女の若者がキブツにやってきます。だからボランティアの間での共通語は英語。通称キブツニックというキブツメンバーにも英語が良く通じるのでヘブライ語ができなくともOK。だからキブツにいるだけで、英語の勉強のためにホームステイしているようなところもあって実にヨッフィ!ヨッフィ!(ヘブライ語でヨシ、ヨシの意。日本語のヨシ!ヨシ!という意味と語感もそっくり)です。この制限がOKな人なら是非行ってみてはどーでしょ?

とゆー訳ですが、今回は堅い話で長くなってしまいました。しかし、まだまだキブツの魅力はちっとも語ってません! ですから次回も、キブツの生活をさらに仕事編と余暇編に分けてレポートします。次回までちょっとお待ちください。皆さん、それまでは、レガ!レガ!(ヘブライ語で待て待て!の意)。ほんじゃ、また!

キブツ内で働くキブツメンバー。通称・キブツニック。イスラエルはもともとは砂漠地帯が多かったが、現在は国土が良くかんがいされているために、緑が多い。イスラエルはキブツを中心に農業も盛んだ。

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