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海外滞在中によく見かけるのが、「日本だったらこうなのに」と文句や愚痴をいう人たち。あなた自身も、口に出さずとも、心の中で叫んだことがあるのでは。
「日本だったら、こんなこと当たり前なのに」
「日本だったら、もっと親切なのに」
1つの文化圏、常識を重んじる日本の環境で育ってきた私たちは、海外にいるにもかかわらず、日本で当たり前のことを、海外でも当たり前であるよう求めてしまいがちです。
海外旅行を年に何回か行く人も多い昨今、どうせ旅行へ行くなら少しでも安い旅行を、と直通便ではなく乗り換え便のツアーを選ぶこともあるのでは? ましてや添乗員の同行もないとなれば、現地到着まではツアー客の責任度がかなり高くなることを自覚している人が少ないようです。
そのツアー客は、関西空港発サンノゼ行きの飛行機を乗り継ぎ、ラスベガスへ向かう予定でした。20代前半の女性3人組は、サンノゼ空港に無事到着し、乗り換えゲートで時間までラスベガスの観光プランを立てながら、ウキウキ気分でラスベガスガイドブックを見ながら盛り上がっていました。ところが、その乗り換え飛行機が、悪天候のため、突然、飛行機、およびゲートが変更されたのです。もちろん、飛行機会社はアナウンスしているので、彼女たち以外の搭乗客は、アナウンスどおり移動しました。
アナウンスは、英語で、しかもかなり聞き取りにくかったようなので、彼女たちは理解できず、そのままその同じゲートで待機してたのですが、しばらくして、飛行機会社社員たちがゲートを閉鎖しかかるのを見ると、さすがに、「ちょっとおかしい」と感じ、あわてた彼女たちは、状況を再度説明してもらい、なんとか理解し、変更されたゲートへ急いで向かったのです。が、彼女たちは、そのゲートがまさか再び変更されたなど思いもよらず、結局乗り換え便に乗り遅れてしまったのです。もちろん、飛行機会社側に落ち度はないのですから、彼らが謝る道理はありません。が、彼女たちは、
「すごく不親切。対応が悪い!」
「日本だったら、飛行機会社の人が謝るのに」
「説明不足!」
と、飛行機会社の対応に、不満たらたらだったようです。でも、それを英語で伝えることもできなかったようですが。結局、6時間後の飛行機に何とか変更してもらいましたが、楽しい旅行の出鼻をくじかれてしまったのです。
このエピソード、英語ができなかったことにも問題がありますが、空港での彼女たちの態度にも問題があります。それは、日本のようになんでも過剰サービスがどこででも受けられる、と信じて疑わず、相手から手を差し伸べてもらえる、と勝手に勘違いしていたためのこの始末なのです。
いつまでも「日本の常識」をスタンダードとし、相手にそれを望んだとしても、それはちょっとお門違い。無理な注文です。海外旅行する、ましてや海外で生活する、ということは、異文化を体験するということ。日本的な「サービス」や「常識」が当てはまらないのが当たり前、ぐらいに心を引き締めないと、思わぬところでアクシデントに遭遇しかねません。海外旅行の際には、パスポートともにちょっとした緊張感をお忘れなく。
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