どうしてこんなに時間の経つのが、早いのだろう。

優先順位を考えて、今日は学校をスキップして、ギャラリーとルーブル美術館に行くことにした。学校の文法は日本でも勉強できるけど、ここにしかないものは見逃すわけにいかない。

私はルーブル美術館が、大きく様変わりしているのを知らなかった。前回訪れたのはかなり昔だ。石の階段は、中央がすりへっていて、バランスが悪く、建物の中はどこもほこりっぽかった。

ルーブル美術館のベースになっている建物はお城で、1564年に建てられ(その後、他が付け足されている)、美術館としては1793年にオープンしたそうだ。

私はそのすりへった階段を踏みしめながら、ルーブルに飾られている絵に描かれているような、何百年も前に生きていた人たちが、今の私がしている様に、この階段を歩いていたんだなと思うと、その時代を自分の肉体で、じかに触れているような気がして、わくわくしたのを覚えている。

今のルーブルは、中庭にガラス張りの大きなピラミッドがあり、その地下はとても広いエントランスホールになっている。そこを中心に放射線状に、洗練されたショップがいくつか並んでいる。とてもモダンなエリアだ。

ルーブルを訪れた人が、ほとんどするように、前回、私もモナリザを見た。モナリザを、かってに大きい絵と思い込んでいた私は、実物が自分の想像よりはるかに小さくてびっくりした。

そしてあまりにも有名な絵なので、客観的に一枚の絵として、それを見ることがでず、感動もなにもなかった。それを、もう一度見てみようと思った。

今回も昔見た時とまったく同じ様に、モナリザの前には人だかりがしていて、記念写真を撮っている人がたくさんいた。しかし私の絵に対する印象は昔とまったく違った。

他の絵をいくつも通りこして、たどり着いたモナリザは、他にくらべて格段にすばらしい作品に、思えたのだ。不思議だ。私の中で、なにが変わったのだろう。

(写真解説)
上段:ルーブル美術館の絵画のエリア
中段左:窓から見たルーブルの外観
中段右:モナリザ
下段:モナリザに群がる人たち