最近、デスクを買い替えた。普通の生活を営んでいる方には、デスクなんてあまり意識にないだろうが、私はものを書く仕事をしているので、デスクは欠かせないのだ。これまで使っていたデスクは、奥行き60センチ×幅120センチの、いわゆる標準サイズ。デスクなんてそんなに壊れたり、傷になったりするものじゃないので、買った当時は、これを一生使うぞ! と心に決め、それなりの値段のもの、シンプルなデザインのものを選んだのだった。そして、思ったとおり、10年たっても、引っ越してもデスクはそのまま何の問題もなく使える……はずだったのだが……。
90年代後半に始まり、IT革命の名の下に、ものすごい勢いで普及したパソコン。インターネット、メールを中心としたこの大波は、情報を扱う仕事の一端を担っている私のところに、真っ先に押し寄せてきた。長いもの書き人生の中で、FAX、ワープロに続く第三の波の到来。とりあえず、ヨ〜ッシャ〜ッ! と飛び乗り、パソコンを導入した。とたんに、作業時間が短縮され、視野がぐ〜んと拡がった。しかし、デスクの上は狭くなった。
パソコンは何かと場所をとる。モニターを液晶にしても、キーボードやマウスのスペースが必要だし、プリンタやドライバなどなど、デスク周りにズルズルと周辺機器を並べなければならない。広げた資料をズズズ〜と脇に寄せてキーボードのスペースを作ったり、逆にキーボードをCPUの上に乗っけて資料を調べたり、を繰り返していたのだが、ついにぶち切れた。あ〜、面倒くさい! もっと大きなデスクを買うぞ〜!
さっそくメジャーを取り出してきて、仕事部屋の広さと使い勝手から、理想のデスクサイズを割り出した。ズバリ! 奥行き80センチ×幅180センチ! ちょっとした会議テーブルにもなる大きさだ。これなら完璧である。
ところが、いざカタログで各メーカー品を調べてみると、奥行きはともかく、幅180センチというものがない。既製品は最大でも160センチなのだ。スチール製の事務用デスクでも見あたらない。これは、オーダーしかないかと思い、セミオーダー家具専門の「ギャラリー収納」に相談したら、やはりセットものでは天板の幅が160センチというのが最大で、180センチだと完全なオーダー生産のため、コストも時間もかかると言われた。
最後の頼みは輸入物だ。海外だったら、バカでかいデスクを使う人だっているに違いない。外人は体もデカイしね……という、あまりにもベタな理由からだが、とりあえず日本よりはバリエーションがあるような気がする。
そういえば、以前にオフィス家具のカタログで、イタリアの「ファントーニ」というメーカーのデスクを見て、シンプルで素敵だなあと思ったことを思い出した。そのカタログ販売は、数年前に営業をやめてしまっているのだが、もしかしたらどこかで扱っているかもしれない。
さっそくインターネットで調べる。これができるから今は便利だ。おっと、便利になったおかげで、デスクを捜すはめになったんだっけ。気持ちは複雑、本末転倒とはこのことか。
ファントーニのデスクは意外にすぐ見つかった。Garageというオフィス家具のonlineショップで扱っていて、しかも直接輸入のため、正規の価格の半額ぐらい。以前のものより安いのだ。サイズも、私の理想のサイズのものがちゃんとあるではないか。ホント、インターネットがなかったら、家にいながらにしてこんな賢いお買い物はできなかっただろう。っていうか、買う必要もなかったわけだけど……。
ネットで注文して数日で、デスクはすぐに届いた。必ず二人以上で組み立てろという注意書きを無視して一人で組み立てたため、危うく腰を痛めそうになったり、爪を折ったりしたものの、天板も脚部もがっしりとした、理想のデスクが完成。現在私の仕事は、すこぶる快適な環境で行われている。
しかしこの一件で、世の中のデジタル化やコンピュータの発達により、家具も様変わりを余儀なくされるのだと実感した。ビデオデッキだ、レーザーディスクだって言っていたのが、今ではHDDレコーダーだ。小さなボックス一つですんでしまうのである。テレビも液晶になれば、信じられないくらいに薄い。当然、それらを乗せるAVラックのモジュラーも全く変わるだろうし、収納家具のサイズも変化してくる。奥行き60センチとか45センチが基本のシステム家具が、全くシステムでなくなる日も遠くない。ここしばらくの間、電化製品、パソコン周りの家具に関しては、身軽に、臨機応変にチェンジできる発想をもっていたほうがよさそうである。
『Garage online shop』 http://garage.plus.co.jp/
90年代後半に始まり、IT革命の名の下に、ものすごい勢いで普及したパソコン。インターネット、メールを中心としたこの大波は、情報を扱う仕事の一端を担っている私のところに、真っ先に押し寄せてきた。長いもの書き人生の中で、FAX、ワープロに続く第三の波の到来。とりあえず、ヨ〜ッシャ〜ッ! と飛び乗り、パソコンを導入した。とたんに、作業時間が短縮され、視野がぐ〜んと拡がった。しかし、デスクの上は狭くなった。
パソコンは何かと場所をとる。モニターを液晶にしても、キーボードやマウスのスペースが必要だし、プリンタやドライバなどなど、デスク周りにズルズルと周辺機器を並べなければならない。広げた資料をズズズ〜と脇に寄せてキーボードのスペースを作ったり、逆にキーボードをCPUの上に乗っけて資料を調べたり、を繰り返していたのだが、ついにぶち切れた。あ〜、面倒くさい! もっと大きなデスクを買うぞ〜!
さっそくメジャーを取り出してきて、仕事部屋の広さと使い勝手から、理想のデスクサイズを割り出した。ズバリ! 奥行き80センチ×幅180センチ! ちょっとした会議テーブルにもなる大きさだ。これなら完璧である。
ところが、いざカタログで各メーカー品を調べてみると、奥行きはともかく、幅180センチというものがない。既製品は最大でも160センチなのだ。スチール製の事務用デスクでも見あたらない。これは、オーダーしかないかと思い、セミオーダー家具専門の「ギャラリー収納」に相談したら、やはりセットものでは天板の幅が160センチというのが最大で、180センチだと完全なオーダー生産のため、コストも時間もかかると言われた。
最後の頼みは輸入物だ。海外だったら、バカでかいデスクを使う人だっているに違いない。外人は体もデカイしね……という、あまりにもベタな理由からだが、とりあえず日本よりはバリエーションがあるような気がする。
そういえば、以前にオフィス家具のカタログで、イタリアの「ファントーニ」というメーカーのデスクを見て、シンプルで素敵だなあと思ったことを思い出した。そのカタログ販売は、数年前に営業をやめてしまっているのだが、もしかしたらどこかで扱っているかもしれない。
さっそくインターネットで調べる。これができるから今は便利だ。おっと、便利になったおかげで、デスクを捜すはめになったんだっけ。気持ちは複雑、本末転倒とはこのことか。
ファントーニのデスクは意外にすぐ見つかった。Garageというオフィス家具のonlineショップで扱っていて、しかも直接輸入のため、正規の価格の半額ぐらい。以前のものより安いのだ。サイズも、私の理想のサイズのものがちゃんとあるではないか。ホント、インターネットがなかったら、家にいながらにしてこんな賢いお買い物はできなかっただろう。っていうか、買う必要もなかったわけだけど……。
ネットで注文して数日で、デスクはすぐに届いた。必ず二人以上で組み立てろという注意書きを無視して一人で組み立てたため、危うく腰を痛めそうになったり、爪を折ったりしたものの、天板も脚部もがっしりとした、理想のデスクが完成。現在私の仕事は、すこぶる快適な環境で行われている。
しかしこの一件で、世の中のデジタル化やコンピュータの発達により、家具も様変わりを余儀なくされるのだと実感した。ビデオデッキだ、レーザーディスクだって言っていたのが、今ではHDDレコーダーだ。小さなボックス一つですんでしまうのである。テレビも液晶になれば、信じられないくらいに薄い。当然、それらを乗せるAVラックのモジュラーも全く変わるだろうし、収納家具のサイズも変化してくる。奥行き60センチとか45センチが基本のシステム家具が、全くシステムでなくなる日も遠くない。ここしばらくの間、電化製品、パソコン周りの家具に関しては、身軽に、臨機応変にチェンジできる発想をもっていたほうがよさそうである。
『Garage online shop』 http://garage.plus.co.jp/