まいった。鉛が入っているように胃が重い。

前にもいったように、私は学生時代一度もフランス語を習ったことはない。さすがに、なにもかもまったくわからないのはあまりにも心配だったので、日本にいる間、何回か文法を中心の個人レッスンを受けていた。

ここパリでのレッスンは初心者であろうが、授業は基本的にはフランス語ですすめられる。さすがにどうにもならないときは英語で質問したり、答えてもらう。

文法は多少習ったのの、私は耳も口もまったくついていけない。体中耳にして、眉間にしわを寄せ、全神経を使い、必死に聞き取ろうとするのだけれど、どうしてもわからない。肩までばりばりに凝ってしまう有様だ。

どうしてもわからないと思ってしまう理由のひとつは、一字一句すべてわかなければならないと思い込んでいるからだ。もう、1週間が過ぎようとしているのに、いったい私のこの有様はなんなんだ。日本での個人レッスンはなんだったの?

今日は雨、通常の授業プラス午後3時間のワークショップがあり、終わったのは午後5:30。学校を出ると、すっかり日が暮れていた。

小雨の中、疲れ果て、重い足を引きずりながら、胃薬を手に入れるため、グリーンの十字のネオンサインのついた薬屋さんに寄った。その薬は、舐めたり噛んだりできるタイプだったので、すがるような気持ちで即その場で2錠口にいれた。

家に帰り、ホストファミリーに、たどたどしいフランス語で今晩は夕飯が食べられない、と告げると「なな、リラックスリラックス、ストレスで胃がまいってるんだよ。大丈夫、今晩はライスを作ってあげる、それとバターぬきの野菜がいいね」とやさしく気遣ってくれた。

久しぶりのライスはタイ米のように細長いお米だったけれど、上手に炊けていて白いご飯ってこんなにおいしかったんだと、おもわず感動してしまった。

(写真解説)
上段:問題の答えを絵に描き、みんなで輪になってそれがだれに描かれたものかをあて、その内容をフランス語で説明する。通常のクラスでのレッスン風景
中段:名前つきの人の顔のカードが30くらいあり、選んだ人がだれかを、質問によって探していくゲーム。ワークショップという特別クラスでのレッスン
下段右:学校の教室からみおろした風景、今日は雨
下段左:薬屋さんにて