おーーーー、週末だ! やるべきことはたくさんあるが、取りあえず朝7:30に起きなくてもいいのだ。

「なにいってるの!」と言う声がたくさん聞こえてきそうだけど、学校を卒業以来、毎朝規則正しく決まった時間に起きたことなど、ほとんどない私には、この「毎朝7:30起床」というのがかなりつらい。時差ぼけもまだある。

今日は土日に開かれる、クリニアンクールの蚤の市に行くことにした。私はここに、20年ほど前に訪れている。

その時はいろんな物が、ごちゃごちゃに並べられていて、宝探しのようでとてもおもしろかった。倉庫のようなところに、真鍮製品が山盛りだったり、絶対に日本では見られない風景ばかりだった。

そんなイメージを抱きながら、メトロの階段を上ると、うっすらとその場所の記憶が蘇ってきた。確かにこんな通りを歩いた。

しかし、通りを歩くにつれ、その時のイメージは、どんどんかき消されていった。アンティークを扱う場所に行き着くまで、ものすごい数の露天が連なっているのだけれど、並んでいるのは、新品の革製品だったり、ジーンズや安物の服だったり、異国の民族製品だったり、ナイキだのアディダスなどのスニーカーなのだ。

これじゃ、どこの国だかわかりゃしない。気をとりなおして、アンティークを扱うエリアにたどり着いて、またびっくり。どれも小さいけど、それぞれ独立した立派な店になっていたのだ。つまりアンティークショップ街なのだ。蚤の市でもなんでもありゃしない。しかもどれもとても高い。

こんなところに用はないわと、がっかりしながら元の通りに引き返したとたん、いいにおいに思わず立ち止まってしまった。

ホットドッグとクレープを売る店の前に出たのだった。しかも、クレープを焼いているおじさんが、なんだかとてもおしゃれな帽子をかぶっている。

さっそく、チーズクレープをひとつ買ってかぶりつくと、まあトレビアン!! すっごくおいしい。あっさりと機嫌が直ってしまった。

(写真解説)
上段:アンティークショップ外観
中段:アンティークショップの中
下段左上:安物を売ってる通り
下段左下:アンティークショップで売っていた大きな時計。3000ユーロ
下段右:クレープ売りのおじさん