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せっかくの日曜日なのに、また雨。しかもけっこう強い雨だ。
ベルサイユ宮殿まで遠出しようと計画していたが、モダンアートが数多く展示されている、ポンピドーセンターに場所を変更した。 外側がガラスとパイプで被われたこのユニークな建物は、1977年に建築されたものだそうだ。もう27年も経っているとはとても思えない。 10フラン払うと、常設の展示作品とテンポラリーのものと両方見ることができる。 モダンアートといっても内容は様々で、「いったいなぜこれが、ここに展示されるのだろう」と、結論のない、シュールなフランス映画を見た時のように、まったく私の理解の範囲を超えるものもあって、自分の感性がとぼしいのかと、アーティストの端くれとして、自信をなくしてしまいそうになった。 ベンチに腰掛け、ふっと一息つきながら、ガラス越しに外をながめると、雨はすでに上がり、日が暮れかかり、遠くにエッフェル塔が見えていた。 気を取り直して、階を上がると、ピカソ、ダリ、マチス、ミロ、シャガール、ドレイン・アンドレ、ジャクソン・ポロックなどなど、びっくりするような作品がぞくぞくと展示されていた。 小市民の私は、「へー、これで入場料が日本円にして、たったの、1200円か1300円ほどなんだ。さすが芸術の都パリだ、すばらしい!」とつまらないところで、感心してしまった。
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