奪われたペースを取り戻せないまま終戦…

日本時間早朝のコンフェデ、メキシコ戦。いまだにイタリアよりも勝てそうな相手だとか思ってたりしてた風な旧メディアも(少なくなったが)まだあった気配があるが、ぶっちゃけメキシコの方がやりにくい。

だから私もこのグループリーグで勝ちをモノにできる可能性があるのはイタリアだと思ってたわけで…かと言って、メキシコの方がイタリアより強いとかいうような単純な話じゃない。相性とかスタイルの組み合わせの問題。
もう多くの人がわかってるように、メキシコと日本はフットボールのスタイルが似ていると言ってよい。技術の高さをベースにポゼッションして、細かいパスワークを駆使する。ただメキシコの選手の方が、粘り強い足技(?)があるか…そして選手層というよりも個々の選手に技術や技巧のバラツキが少ないというか、無い。日本選手にはまだバラツキがある。

この試合、キックオフから20分過ぎくらいまでは日本ペース。香川の惜しいシュートがあった(もうちょっとアウトでゴール隅へ送り込めれば決まっていた)し、遠藤のグラウンダーのシュートを岡崎がヒールでコースを変えてゴールに送り込んだがオフサイド判定…実はあれはオフサイドでなかったっぽいが。ところがその後はメキシコが日本への対応力を発揮して試合のペースを奪い返す。結局そのままペースを取り戻せず、後半にクロスに飛びこまれて、コーナーキックをスラされてヘッドで決められて(ロンドン・オリンピックのセミファイナルでやられたのと同じ)2失点。その後、1ゴールを返したのは、反発力が備わってきた(地力はついてきた)ことの証といってもよいと思うが、ペースは奪い返せないまま。その要因は数多く存在するだろうが、私にはやはりボランチの総合的な力量の差が大きいんじゃないかと感じていたんだが。この試合、遠藤と(長谷部がサスペンション)細貝のボランチだったが、どちらもよく走り奮闘していたが、やはり遠藤の守備は(自覚を強くしてよく走って戻っていたが)スペースを埋めるだけの対人守備力に欠けるものだし、細貝は視野というか視界がやはり狭く、試合をコントールするには全然至らず。遠藤は1ゴール返した時も高い位置に攻め上がって岡崎のゴールをアシストし、日本らしい鮮やかな攻撃を創っていたりしたが、それでも遠藤を含めた2ボランチでは世界の舞台では戦えない。
それと最終ラインの対人守備力だな。吉田麻也でなく栗原をスタメン起用したが、思いの外なかなかよかったんだが、それでも日本人ディフェンダーには対人守備の個人能力、個人戦術が決定的に不足しているか。相手がゴールを強く奪いに来た時に、これではいとも簡単にゴールを与えてしまうことだろうし、それを全世界に公開してしまったわけで。
これまでに以上に(それは過去の日本チームのように)組織的な守備戦術を持ち込むしかない、と言うほかないか。ザッケローニは、この大会の途中で漏れ伝わってきたように、例えば2010年の南アフリカ・ワールドカップの時のように守備的な戦いにシフトせず、攻撃的な戦いを選択していたようだが、それも軌道修正せざるをえないことだろう。
ま、ワールドカップ本大会では、ブラジル、イタリア、メキシコといったクラスばかりと同グループになるわけではないので、2勝1敗もしくは1勝2引き分けは可能だろうし、グループリーグは突破できるかもしれない(…とは言え、それもまだ紙一重のレベルではある)が、それではいつまで経っても決勝トーナメント1回戦(Round of 16)止まりということになってしまう。
さて、ここからザッケローニがどういうチームづくりを見せてくれるのか。

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