Vol.04 心あたたまるオープニング

ブラックタイで正装したカメラマンたちの間を縫い、会場のエトワール広場へ足を踏み入れると……内部はモダンで、赤と黒を基調としたデコレーションで統一され、ほの暗く、幻想的な雰囲気も漂う美しさにまずは圧倒されました。

席に案内されると、飲み物を注文、さっそくお食事がスタートです。両隣のお席ではすでにだいぶお食事が進んでいました。

ディナーに供されたオマール海老のディッシュ。
お食事は大公が会場に到着されるのを待ってから開始されるのがプロトコール(国際儀礼)と聞いていましたので、一時間遅刻の私たちはそのタイミングを見逃してしまったのだわ……と残念に思いつつ、それでものんきに、運ばれてくるお料理をカシャカシャと写真に撮ったりしていました。

間もなく会場内がざわざわし、ステージ上には、入り口以上のパパラッチ並みカメラマンたちが並び出しました。そして列席者900人は起立(もちろん私たちも)。拍手とまぶしいフラッシュに迎えられステージに現れたのは、アルベール大公はじめキャロライン王女ご夫妻、ステファニー王女、など王室ご一家の方々でした。

ここから正式に、王室主催舞踏会のオープニングがスタートです。

まずはこの舞踏会は「赤十字ガラ」であることから、赤十字が取り組んできている世界各地の災害などへのチャリティーが紹介されました。本日の高額な参加費は、チャリティーに充てられるそうです。そして今年が特別だったのは、モナコ国民のみならず世界的にも大変な人気のあった故グレース公妃の、不慮の事故から25周年ということで、生前の、美しい映像も流されました。

オープニングで流されたグレース公妃の映像。時代を超えても美しいですね。
会場はシーンとして全員がその映像に見入っていましたが、アルベール大公や王女の方がたのお気持ちはいかばかりだったことでしょうか。ちなみに、この夏はグリマルディ・フォーラムにおいても、グレース・ケリー展が開かれており、レーニエ大公が、当時アメリカにおられたケリー嬢に送られたラブレター(ラブ電報?)も初展示されていました。

引き続き、各参加者に配られたプログラムの番号による抽選会が行われましたが……それもさすがに、豪華賞品の数かずなのでした(高級宝石ブランドのジュエリーや、地中海クルーズご招待などなど)。……淡い期待はすることなかれ、私はもちろん、何も当たりませんでした〜。