伝統的なフランス式テーブルセッティングです。
|
デーブルには赤いバラの花びらがたくさん、ランダムにまかれているのも華やかさを添えます。シャンパンがサーブされ、いよいよディナーがスタート……と思っているうちに、気づくとすでにデビュタントのお披露目セレモニーが始まっていました。
フランス語と英語で名前とプロフィールを紹介されたデビュタントが、パートナー(キャバリエ)にエスコートされ、招待客のテーブルの間をファッションショーのランウェイよろしく、拍手を受けながらひと組ずつ歩いてきます。若いデビュタントたちも、この時ばかりは少しはにかみながらも、堂々とした歩きっぷり(?)でした。
ちなみに、このソサエティ・イベントを2か国語で進めている司会者は、フランスでは有名な王室ジャーナリストのステファン・ベルン氏。ヨーロッパのハイソサエティ事情に詳しく、また作家としても最近、モナコ公妃の写真とドキュメンタリーを収めた「グレース・ケリー」を出版したという、マルチな活動をしている方です。
笑顔が可憐で美しいスイスのデビュタント。
|
23組すべてのデビュタントたちのお披露目も、次々と進み、あっという間に終了(これでゆっくりと、フレンチのお食事とワインが楽しめます)。
そんな中、今回のパーティでは、少々意外だった新発見もありました。一般に「フランス人は英語がわかるくせに、英語では話してくれない」という認識が広くあり、私も10年前にパリを訪れた時の経験で、そのような記憶が刻み込まれていました。ところが、同じテーブルになったカルバンの方たち(うちひとりは、フランス語圏のベルギー人でしたが)をはじめ、皆さん何の抵抗もなく、私にはいつも英語で話してくれていました。
それどころか、時々フランス語で他の人たちと会話をする時には、「ごめんね、フランス語で話しちゃって」とまで断ってくれたのです。私自身はウィーンでドイツ語に囲まれて過ごすのが普通でしたから、フランス語に囲まれてもまるで気にも留めていなかったのですが、そんな彼らの気遣いあふれる言葉に、かえって恐縮してしまったのでした。 “フランス人の株”が上がったエピソードです。