プリンセスがお話しをしてくださったプライベートルームには、ご家族の写真がたくさん飾ってありました。
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「ご自分をどう保ち、管理していくか、を心がけていくことが大切です。クラシカルな服装、テレビの中のようにうるさすぎないこと、正しい振る舞い、控え目で、丁寧であることが大切です。ヨーロッパでは、北の国々や南のフランス、スペインやイタリアなどの女性はエレガントです。でも、東欧の国ではいまだに少し問題ですね。女性たちは美しいのに、振る舞いが正しくなく、お化粧も濃く……特に、若いのに濃いお化粧はよくありません。エレガントではないのです」
「服装やお化粧などの身なり、振舞い方は、あなたがどんなソサエティに属しているかということや、家庭で受けてきた教育によって、違ってくるものです。逆に、身なりや振る舞いを見れば、あなたの育ちや社会の中のレベルが判断されてしまうということなのです。それを常に心において、ご自分を、保っていっていただきたいのです」
「最近は新興のお金持ちの人々がロシアや東欧の国々からも来ていますが、彼らは服装などのマナーや振舞い方を知りません。例えば、某有名デザイナーズブランドが大きくプリントされたTシャツとジーンズを着て、それだけですでにエレガントだと思っているお金持ちもいる。なぜならそれは“高い服“だからです。けれども、その服がどれほど高価であるかとか、どのブランドであるかということと、例えば英国の女王陛下に謁見しても失礼がないほどエレガントであるかということには、そこに何の関係もありません。服の値段とエレガンスには、関係がないのです。つまり、たくさんのお金をかけなくてもエレガントにはなれるのです。例え安いスーツでも、きちんと素敵に着こなせていれば、問題ないのですよ」
私はプリンセスとお話ししている間中、プリンセス・アニータご本人の、“服装や振る舞い、着こなしを超えたエレガンス”、それはいったい何なのだろうと、考えていましたが、それをプリンセスとのお話の最後に、私なりに、見い出せたような気がしていました。それは、後日、お話ししたいと思います。