プリンセスとそのご子息と共に。
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「死は生といつも隣り合いながら、巡っているもの。それが歴史を作り、そして歴史は、私たちがそこから学びたいと思うならば、学べるものなのです」
……これは、まさに国のために暗殺された曾祖父様や、帝国の終焉と共に激動の人生を送られたお祖父様などを持つプリンセスの、重要なメッセージなのです。プリンセスがこれまでお城と共に守ってこられ、そして次の世代へと伝えていかれたいもの、それは歴史と、そこから現代の、そして未来の私たちが学べること、学ぶべきことなのかもしれません。
ここで、プリンセス・アニータに接し、お話ししてきた中で私が感じた“エレガンス”は、きっと、プリンセスご本人がお持ちの強い信念や使命感からこそ出ているものなのではないかと、確信するのです。“血筋”としてのプリンセスであるということ、それ以上に、プリンセスとしてどう生きてこられたか、また、いかれるのかということが、真のプリンセスたらしめるのではないかと思ったのでした。そしてそのような方こそが、本当のノーブル、セレブリティーと呼ばれるべきなのではないでしょうか。
そして我が日本の、両陛下のご公務、特に、戦禍の跡を巡られるお姿を拝見したり、時折発表されるお言葉からも、私は共通するものを、感じるのです。
最後に……「ハプスブルグ家の子孫であること、一員であることを、感じるのはどんな時なのでしょうか?」と、お聞きいたしました。
「……いつも。毎日です。私はそのために働いているし、先祖の過ち(例えば戦争)さえも含め、すべて、我々はその上に立って、生きているのです。ハプスブルグ家であるという事実は、私の遺伝子のひとつひとつに入っているし、自分の生活、私の人生そのものです」
……アルトシュテッテン城は、現代に生きる、使命感に満ちたすばらしい、そして素敵なプリンセスと共に、ひっそりとたたずみながら、今も、歴史が息づいている場所です。
時にはぶしつけな私の質問にも、とても気さくに大変真摯に答えてくださった、プリンセス・アニータとご子息に、心よりお礼申し上げます。
I would like to express my big gratitude to Princess Anita von Hohenberg and Graf Raoul for talking and answering friendly and with sincerity even for my too direct or rude questions.