1人の監督で4年間というのは、なかなか難しい。

フットボールは4年ごとのワールドカップを1つのサイクルとして動いていることは、まぁ今日でもそう言ってよいだろう。日本のフットボールにおいては、代表チームの監督については4年契約が前提といった感じで契約が締結されている。日本サッカー協会の強化委員長あたりから、まずは2年くらいの成果を見て延長するかどうか云々という発言もあったが、それでも4年間が前提というのは変わってなかろう。

日本のナショナルチームの監督を引き受けてもらうには4年間のオファーでないと引き受けてくれそうにないことも、関係していると思う。ただ、4年間というのはなかなかに難しい。就任直後にアジアカップがあり、ワールドカップ予選(アジア予選)が進行し、ワールドカップ出場権を獲得するまでに約3年。そこからが難しい。よほどの引き出しとか、刺激がないと、ワールドカップ本大会までの1年間がかえって下降線を描くことになりかねない。ザッケローニ氏でもそうだった。ザッケローニ氏はナショナルチームの監督経験が今回が初めてだったとはいえ。アジアカップで優勝したら…という条件付きではあるが、ワールドカップ本大会1年前にはコンフェデレーションズカップに臨むことが多い。それは、それだけアジアカップで優勝しているということだが。そのコンフェデでの結果、内容でもって、残りの1年間を考え直すようなことができないと、コンフェデで妙な自信や手応えを感じてしまって、残りの1年間を上昇カーブを描くことなく本大会を迎えてしまうことになりかねない。以前(前々回大会まで)のようにアジアカップがワールドカップの中間年(つまりは就任2年後)であれば、その結果や内容でもってその後の2年間の契約を考えることもできるんだが、あいにくアジアサッカー連盟はワールドカップの翌年に大陸選手権(アジアカップ)を開催するペースにしてしまった。ユーロ(ヨーロッパ選手権)と被らないようするため、とか云々の理屈で。
ワールドカップ予選(アジア予選)でよほどの苦戦をしない限り途中で無理に監督・コーチングスタッフを替える必要はないとはいえ、出場権獲得後の本大会までの1年間に上積みや本大会での戦略・戦術を描けないのだったら、やはりそこで再検討することも必要なんではないかと。
しかし日本人にそういうことができるか…っていうところはある。
実際、大体において、その1年間で上手くいった試しがなかろう。2002年のワールドカップはまぁ上手く…積み上げだったのか修正だったのか判断に迷うがグループステージを突破し、とにかくそれほど下降線だったとは思わないが、地元開催だったという点が大きい。2006年は何の積み上げもなく、2010年は直前での戦術変更と高地対策が功を奏してグループステージを突破できた。で、今回はやはり下降線といった感じだろうな。

一昨日、いかにも中途半端な総括めいたものを日本サッカー協会の強化委員長が新監督発表会見で語っていたが(例えば、Webサイト「ゲキサカ」「原専務理事が語ったW杯の敗因とアギーレ氏招聘の経緯」 http://web.gekisaka.jp/news/detail/?143760-143760-fl )ここではかなりの内容を読むことができる。他のメディアは、あまりにサマリーに過ぎる。
選手の経験値はどんどん上がっているのに、マネジメント側(日本サッカー協会)がそれに合ってないと見えるところが、我々にとっては長らくのジレンマ。このジレンマはいつまでの続くのだろう…世代が相当変わらないと無理か。思い切って2世代くらい変わってくれないかね。

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