たいへん遅ればせながら(U-19)ヤングなでしこ…

今年8月下旬に行われたU-19女子アジア選手権の試合は、セミファイナルとファイナルの2試合がCSのテレ朝チャンネルで10月に入ってから放送されたんで、見させていただきました。ま、予想どおり日本チームは個々に高い技術をもっていて、そこは他国の追随を許さないレベルなんじゃないか。攻撃の組み立て、パスワークもクラスが1つ2つ上。

セミファイナルの韓国戦は、なっかなっかゴールが奪えずに苦労したが、でもほとんどボールを文字どおり支配していた試合。ファイナルの北朝鮮戦は、前半はやはり完全に試合を支配。ただ北朝鮮も、4バックにアンカーまで置いて、日本の2トップに対しては2枚で挟み込むようなタイトなマークを仕掛けてきて(まぁそういう戦術だと攻撃は単調なロングボールだけになるわけだが)なかなかいい形でフィニッシュに持ち込めなかったというところ。後半に入ると北朝鮮が戦術を変えてきて、サイドを起点に押し返す展開。それに加えて日本が連戦の疲れからドッと動きが鈍くなり、さらに終盤、途中交代で起用した選手が潰されて10人で戦うことになってしまい苦戦を強いられたが、PK戦で優勝という結果に。ぶっちゃけ、やられたってシーンが幾つもあり、クオリティ的には日本の方が明らかに上だが試合としては分の悪い印象かと。
そんなわけで、日本の個々の選手、チームとしての戦術・組織力は最も優れていることは明確に確認することができたんだが、やはりフォワードに強引なシュート力が欲しい。きれいな形にこだわる(?)というか、日本はきれいなプレーをする…などと(アジアを含め)諸外国にも度々言われているが、しかしフォワードについては、よく皆さんが言う泥臭いプレーという意味ではなく、やや無理な体勢からでもショットしたり、時には長いショットを打ったり、そういうプレー。それはもう意識の部分かと思うが、仮に決まらなくてもシュート数を重ねるような、そういうプレー。そういうのが不足してる。それは男女共通、日本の特性であるわけだが。だから日本チームは2列めや中盤の選手がゴールすることが多かったり、女子でも、このU-19やその前のU-17でも、セカンドトップのタイプの選手がフィニッシャーになっている。まぁそれも日本の特性、特徴といえばそうなんだが、そのスタイルであっても、トップの選手に強引さ、豪快さがないと。それがあればなお、セカンドトップや中盤の選手のゴールチャンスも増えるわけで。
ただ、よく言われるフィジカルの点については、ファイナルの北朝鮮戦は確かに終盤は押されていたが、連戦から来る疲労度が高かった要素が大きかろうし、あんまり問題視するほどでもなかろうと思うが。むしろ終盤でもよく動いていた〈動けていた)と感じる。それよりボディコンタクトにおいて、かなり身体の使い方が上手いんじゃないか。たぶん一世代上の選手たちよりも上だろうし、さらにもう1つ上の世代(20台半ば)の選手たちよりも上だろう。イーブンに近いボールでも、上手く交わしたりすり抜けたりする技術を持っている。それと一番感心したのは、相手を背負った状態、ないしは相手がプレスに来た時にボールと相手との間に身体を入れて相手を背負った状態で、よく見られるようなバックパスを出すことはなく、身体を回転させて抜き去る、すり抜けるプレー。これがどの選手もできるという点。そういう場面が何度も見られ、これには少々驚かされた。ま、これがフル代表になっても、より身体もリーチも大きい相手でも、同じようにできることを願うわけだが。

というわけで、かねてより予想というか想定していたとおり、現在のヤングなでしこ世代のクオリティは非常に高い。そして選手間の技術や技量のムラがない。これは凄いことだ。来年のリオデジャネイロ・オリンピックでは、もちろんその前にアジア予選が非常に厳しく出場権を獲得しないことには話しにならないが、何人かでも引き上げて欲しいと思うんだが。U-20女子ワールドカップもあるんで、やはり不可能かもしれないが。

また、U-16女子アジア選手権が来月上旬に始まる。言うまでもなく、来年のU-17女子ワールドカップ予選を兼ねた大会。これがまた中国での開催で。中国開催ばっかり。

で、フル代表は11月下旬にオランダ遠征(オランダ代表と対戦)が決まったそうで。そこではどういうメンバーを選ぶんだろうか。そろそろガラガラポンしないかね。

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