1997年6月8日のクロアチア戦。
2016.02.23
先日のスカパー「日本代表スペシャルアーカイブ」は、1997年の「キリンカップ」から、6月8日のクロアチア戦。1998年のワールドカップ・アジア予選の真っただ中に行われた試合で、加茂監督が3-6-1のフォーメーションを実質初めてトライした試合。
なんか連日にわたってスカパーのネタになっておりますが、なんの理由もありません(笑)
中田英寿が2キャップめで、平野が初キャップで、その平野が先制ゴール、中田もドリブル突破からのアシストであったり、ゲームメイクで早くも存在感を見せたり、それと、1トップが三浦カズで、この試合でも2ゴールして絶対エースの存在という、そんな試合。ただま、クロアチアもメンバーが揃ってないし、前半30分くらいから動けなく(動かなく)なってるし、4-3という(途中経過では3-0になってた)結果は参考にならない(翌年のワールドカップ本大会で対戦したが、実際にその参考にもならなかった)試合。もちろん随所にクロアチアの選手たちの技量が見られて、普通にはこの当時の日本代表よりもクロアチアの方が1枚も2枚も上だわさ。それなのに、当時のメディアも、ワールドカップ本大会で同グループになった時(この試合で4点も奪って勝ったことがあるんで)勝算アリ…みたいな論調で全く的外れというかフットボールを知らんというか、どこまで世界を知らないんだよ、と思ったものだ。
日本チームは、3バックにしたい気もちはわかるが(その前年12月のアジアカップでゾーンプレスを破られて??)まぁ戦術度が低いというか、これじゃぁ世界で戦うレベルにはないわな。この試合をあらためて見て、そう思いましたよ。3-6-1の初お試しとはいえ、中盤がポッカリ空いてしまうこと多数。名波と中田の個人能力に頼ったゲイムメイクで、三浦カズが絶対エースではあるものの、普通には三浦カズを1トップには置かないだろうってば。前述のとおり、この試合でも2ゴールだし、ポイントゲッターなんだけどね。だからといって、1トップじゃなかろうって。
…というような試合だったが、名波が2.5列め(いわゆるボランチ)ではあるが、名波じゃ守備にならんだろう…などと当時から思っていたが、この「日本代表スペシャルアーカイブ」での放送のコメンテーターの秋田豊氏と下田アナウンサーが何度か口にしていたとおり、結構中盤の守備で名波は奮闘というか貢献していたのは実際のところ。少し前にも名波氏が「Jリーグラボ」に久々に出演した時に、守備というか相手ボールへのコンタクト、アプローチの際の「表現」として「アングル」とか「角度」という言葉を用いていたが、おそらく対人守備のトレーニングなんかちゃんとやったことなんてないと思うんだが、名波氏なりの開眼した(?)会得した(?)スキルなりノウハウがあるんだろう。この前年の秋から(アトランタ・オリンピックが終わって前園がA代表に呼ばれてから)いわゆるコンバートされた「ボランチ」で、早くもこの試合でも名波なりの守備タスク能力を見せてるとは、やはり天才肌と言えるんじゃないだろうか。とはいえ、この試合でのクロアチアでは、、、ということではあるんだが。国際試合のバトルは、こんなもんじゃないもんな。
前年(1996年)12月のアジアカップでゾーンプレスを攻略された…と前述したが、実はその前の10月頃の国内でのテストマッチでも、既に中盤プレス(ゾーンプレス)を試合途中で回避されるシーンが発生してたんだよね。ま、ゾーンプレスを飛び越えて、なおかつサイドバックの裏を突かれて、、、ということだったんだが、そんな、中盤ゾーンプレス対策をとられたらもうお手上げ(?)というくらい、なんか薄い戦術だったんだなぁと。隔世の感あり、ですな。
あ、この試合の日本の4点めは、途中出場の森島のゴールマウスを左から右へドリブリングしながらの(ディフェンダーを3人くらい倒して)豪快な一撃。ピクシー(ストイコヴィッチ)が天皇杯ファイナルで見せたアレを彷彿させる見事なゴールでした。このゴールは「キリンカップ」という舞台とはいえ、日本のフットボールの歴史に残るゴールの1つでしょ。
| trackback (0) |
この記事のトラックバックURL
http://www.ladyweb.org/people/koh/blog/tb.php/2092
トラックバック