マッチ・フォー・3rdプレイス - ウルグアイVSドイツ

地上波TVではどこもライブ中継しなかった Match for third place…3位決定戦。今大会の3位決定戦は一般的な日本人には非常に面白い試合になったと思うので、ライブ中継しなかったのはもったいなかったね。

3位決定戦って、さすがにモチベーションの問題があるし、メンバーを入れ替えたり若い選手に経験を積ませたりするので割と静かなロースコアの試合となることが多いと思う。モチベーションの問題はビッグネームのチームであるほど顕著で、ネーム的には格下のチームが勝ってしまうこともよくある。しかしこの試合、立ち上がりから両チームとも攻め倒そう的な意志が強く感じられる。19分、シュヴァインシュタイガーの強烈なミドルシュートのこぼれをミュラーが詰めて先制。しかしウルグアイは全くひるまない。失点からわずか10分も経たないうちに中盤でのボールスチールからの人数をかけたショト-カウンターで最後はカバーニが決めて同点。しかしフォルランとスアレスに左サイドハーフのカバーニの3人の攻撃は迫力十分。
前半は1-1で折り返すが、互いに非常に積極的に攻撃に出る打ち合いの様相を呈しており、楽しみにしながら後半へ。
後半に入ってもウルグアイの積極的な仕掛け、ディフェンス、運動量は全く衰えず…一体どういうスタミナとモチベーションしてんだ??? 後半6分でフォルランが逆転ゴル!! 右からのハーフライナーのクロスにダイレクトボレーという高難度のゴール。フォルランを最初に見たのはもう10年くらい前のマンチェスター・ユナイテッドだったが、割と早々にイングランドを去ってスペインで活躍しているのは知っているけれども、今大会は正にキャリアの集大成のようなパフォーマンス。大会前に私、フォルランがまだNo.10背負って攻撃の中心にいるようじゃぁなぁ…などと悪口を言っておりました。申し訳ありませんでした。今大会のフォルランのゴールは全てが美しいゴールなんで、是非全ゴールを見てみてください。
しかしドイツも勝利への執着を見せ、失点からわずか5~6分後、この日は左サイドバックではなく2列めの左サイドに入っていたヤンゼンが、右からのアーリー気味のクロスに相手ゴールキーパーとディフェンダーに囲まれながら巧みなヘッドで同点。その後は互いに前がかりに戦うが、やはり印象的にはウルグアイの攻撃的な姿勢に戦慄みたいなものを感じる。なにしろ4トップみたいに攻め込み、その下にもう1枚も走っているから5人でドイツゴール目指して走っているし、時には5トップみたくなっていることもあった。それでいてディフェンスも人数が多いんじゃないかというくらいの運動量と集中力と粘り強さで穴を空けない…はぁ、この執着心はどこから出てくるんだ。日本チームにはウルグアイをも研究対象にすべき。執着心とかでなく戦術的に。人数をかけて守備網を構築しているのにもかかわらず、いわゆるカウンター型でもなく何故あれだけ多くの人数が攻撃に絡んでこられるのか。そう思って見ていたが、中盤でのドリブルに鍵がありそうな気がする。日本チームについては相手ゴール前をこじ開けるのにドリブラーが必要だ、みたいな議論はしばしば起きるが、中盤でのドリブルという意見は出てこない。守備網に人数をかけているわけだから時間を作ってあげないと、いくらスプリンターを揃えていても攻撃には間に合わないわけで、そこでウルグアイには中盤でのドリブルがあるように思えるのだが。
もちろんドイツも、やっつけてもやっつけても牙を剥いてくるターミネーターみたいなウルグアイに対して全く怯むことも気負けすることもなく真っ向から応戦。そして遂に残り7分のところでコーナーキックから、中盤底でずっと頑張ってきたケディラが、そのご褒美でしょう、ヘッドでゴールに捻じ込み再逆転。
それでもなお怯まずにアタッキングを続けるウルグアイ。ディフェンスラインも押し上げてきて、ドイツに攻撃をはね返されてもカウンターを許さない前への出足でボールを拾いまくる。こういう相手とどんどん戦うとよいね。
最後の最後にはフォルランのフリーキックがクロスバーを叩いて、次の瞬間にタイムアップ。3-2でドイツが2大会連続の3位となった。

殴られたら殴り返す的なメンタリティというか闘争心というか執着心というか、そういうもの剥き出しのパフォーマンスを、日本チームも時には見せられるようにならないとね。それが一番に唯一に求められる場面が必ず来る。領土争いに巻き込まれることもなかった島国の日本には、なかなか難しいメンタリティだけど。

先週は今大会のパラグアイとウルグアイが戦ったらパラグアイが優勢かな、と書きましたが、それについては変わりません。確かにアタッカーの迫力はウルグアイの方が上だろうけど、守備網の部分ではパラグアイに軍配があがると思うし、ウルグアイの鋭い出足はあるものの、そういう相手に対するのはパラグアイは上手いし、パラグアイが概ね試合をコントロールするのではないかと。ただまぁ、あくまで机上の空論であるし、あくまでもパラグアイとウルグアイという両者における相対比較での話であって、両者を通じての間接比較は全く無意味。相性とかもあるわけだから。

そんな面白い3位決定戦だったので、機会があったら是非見逃さないようにしてください。

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