U-20女子ワールドカップ、ギリギリの勝負となったブラジル戦を制してファイナル進出。

ブラジルとのセミファイナル。今大会無失点のブラジルは、4-4-2の3ラインをキッチリ形成し、しかも3ラインが15メートルほどの幅に圧縮(?)したブロックを敷き、非常に固い守備。日本も持ち前のテクニックを発揮して崩しにかかるが、なかなか攻略できず。それでも「9番」山本のテクニカルなミドルシュートが決まって日本先制。
ブラジルは今大会初失点。
だが後半、ブラジルが前に出て来て、日本は5バックの最終ラインを作るが、その前でボールを取れなくなりプレスもかけられなくなり、やや防戦一方の形勢に。
そこでブラジル人特有の「3本指」のシュート(アウトにかけたようなチップ的なシュート)をミドルで沈められて同点に追いつかれてしまう。

その後も防戦を強いられるも、徐々に盛り返してフィニッシュに至るシーンも作って行く日本。
再度ブラジルの攻勢の時間帯もやって来て、一進一退ながらやや苦しい状況。
それでも終盤になって、山本のディフェンダー3人を引き連れてターンしてからのチップキックでの裏に出したボールに、「11番」の浜野が抜け出して、飛び出してくるゴールキーパーの頭上を抜くチップキックでマウスに沈めて勝ち越し。
2つのチップキックが生み出した、いわば芸術的なフィニッシュ。
残り時間、ブラジルの攻勢を凌ぎ切って際どい勝利。スペインが待ち構えるファイナル進出を果たした。

スペインとのファイナルは2大会連続。
前回(2018年)はスペインと2度対戦しており、グループステージでは0-1で敗れたが、ファイナルでは3-1の快勝。スペインの選手たちの呆然としている表情が印象に残っている。(日本相手で相当自信があったんだろう…)
日本が優勝すれば大会史上初めての連覇になるが、スペインも相当強いんでどうなりますか。

しかし、アンダー世代ではこれだけ日本選手の技術・テクニック、技巧が生きるのに、フル代表になるとどうしてアアなんですかね。
そこは徹底的に分析・研究して答えを見いださないことには、今後もアンダー世代では世界のトップランク…フル代表では停滞…という時代が続くんじゃないか。

それと、今大会のシステム…4バックと3バック(5バック)の可変システムだが、このブラジル戦では明確に5バックの形態だったように見える。
早くに5バックを敷いてしまうと、中盤の人数が物理的に少なくなるので、この試合のように押し込まれまくり…という状況になりやすいんではないか。
中盤の3枚がよほど強力でない限りは、ね。そういうタレントは揃ってないよね。
そんなことを感じた次第。

もう1つは、前線が2トップで、中盤がアンカーとインサイドハーフ2枚なんだが、攻勢に出られる時は、逆サイドのインサイドハーフが前線へ入って来て3トップの形を作れるのが特長の1つでもあるんじゃないか。
そこで、インサイドハーフのフィニッシュ能力がもう少しあれば、より得点力も高まる気がする。
いずれも良い選手ばかりなんだが、もう一段のスケールアップと能力アップ…といったところかな。

…もしかすると、そのあたりはフル代表での停滞とも関係あるかも、しれない。


スペインとのファイナルは日本時間で来週月曜日(29日)11:00AM。J SPORTS でのライブ放送だけでなく、BSフジでも(当初どおり当日深夜の録画放送に加えて)ライブ放送するらしい。ちなみにライブ放送はサブチャンネルでの放送らしい。

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