全部がピルロ経由じゃない…
2013.06.19
昨夜のワールドカップ・アジア最終予選の最終戦(日本はコンフェデがあるので先に全日程を消化)…日本の入っているグループでない方の同時キックオフの2試合には楽しませてもらった。楽しませてもらったと言っても、試合内容は相変わらずナンで、ただ時間経過に伴う展開に、ということだが。
ただ、同時刻キックオフなのに一方は5分くらいキックオフが遅く、さすがにAFC(アジア・サッカー連盟)らしい杜撰さだ。ま、それでも近年になって同時刻キックオフが導入されたこと自体、AFC的には進歩なんだが。
さて、明日早朝(7:00)はコンフェデのイタリア戦。イタリアというとピルロ、ピルロが中心というけれど、確かにそれはそのとおりであるが、何でもかんでもピルロを経由して事が進んでいるわけではない。今大会、先日のメキシコ戦を見ていても、ピルロにほとんどボールを預けなかったし。その中で、たまにボールを持ったピルロが素晴らしいスルーパスや決定的なパスを出す…もちろん先制ゴールとなったフリーキックも実に見事。
確かに間違いなく、ピルロがイタリアの「レジスタ」だが、何でもかんでもピルロが頼りではない。むしろ肝心な時、いいタイミングの時にピルロを使う、ピルロに任せる、っていう感じ。そこが日本と違う。日本は遠藤がタクトを振るうというか、遠藤がボールを散らし、遠藤がボールを持つと…みたいな空気が強い。メディアもよくないんだよ。全ての攻撃は○○から始まる、、、みたいな表現、あちこちで使ってるだろ。高校サッカーでも少年サッカーでも。そもそもそれは特定の選手への依存性が高いということで、いいことじゃないし。劇画やTVドラマじゃないんだよ、、、そういうわかりやすさというか、落とし込ませ方というか…だから日本の旧メディアの発想というか思考は、いっつまでもそんな辺りでウロウロなんだよ。
イタリアは4-3-3のフォーメーションのようだが、ピルロは中盤の「3」の中央に位置しているが、左のモントリーヴォが精力的にゲームメイクをしている。4-3-3だと数年前にJリーグでも導入するチームが幾つも出てきて、中盤の底(「3」の中央の選手)の左右のスペースを突かれて使われて苦労していたが、イタリアの4-3-3では、ピルロという決して守備力のあるわけでない選手が「3」の中央にいるのにそうした破綻というか弱点を見せないのは、右のデ・ロッシが常に2ボランチのようなシステムを実行しているからではないかと思われる。
日本の「レジスタ」は遠藤なわけだが、遠藤を起用するならアンカーが必須と言い続けてきたけれども、こういうイタリアのやり方もあるんだな、と。
それとともに、モントリーヴォの役割というか機能を果たす選手がいれば、何でも遠藤経由じゃなくなれるんだけどな。長谷部がそれくらいやってくれりゃいいんだが、ゲームメーカーだのプレーメーカーだのじゃないし。
とにかく、中盤の構成をどうするか…じゃないだろうか。遠藤を起用し続けて、アンカーを置くのか、それとも長谷部じゃない他のゲームメーク、プレーメークのできる選手を起用するのか。ただ、どっちにしても中盤セントラル2枚じゃワールドカップ本大会は無理だよ。3枚が必要。でないと、バイタルを締められない。その3枚が、1枚はアンカーなのか、それともイタリア型(?)3枚なのか、そこはフォーメーションありき、システムありき、ではなく選手の顔ぶれによって変わってくる。
そう、選手の顔ぶれによってシステムは変わってくるし、同じフォーメーションでも違う選手が入ったら違うシステムになる…だから最近も(本田圭佑の位置に香川が入って)「香川が本田の代役…」なぁんて書き方をしている旧メディアを幾つも見たが、そういう理解がそもそも間違ってるわけで。
| trackback (0) |
この記事のトラックバックURL
http://www.ladyweb.org/people/koh/blog/tb.php/1113
トラックバック