単に企業名を入れればいいってもんじゃない…
2014.11.09
なんか最近、やっぱりJリーグのクラブ名に企業名を入れることを認めるべきだ…みたいな記事がフットボール専門系ライターさんから出てたんで。
ま、ぶっちゃけ言うと、企業名が入っていてもいなくても地域密着はありうるし、そもそも企業名を入れてはならない、な~んていう規定を(わざわざ)設けなくてはならないほどに、日本のスポーツ文化社会の程度は低かったことがまずあるわけでしょ。
で、プロ野球のことを引き合いに出しておられるんだが(つまり、企業名がチーム名に入っていても地元に密着し愛されているではないかと…)でもこれって全然違う話ですよ。だって地元の企業じゃないじゃんか。落下傘でおりて来たもの(Jリーグがマーケティングリサーチしてやった形になってしまった、と言う向きもあるよね)でしょ。ま、もっと言えば、究極的には地元の企業じゃなくてもいいんだが、なんらかの形でホームタウンと繋がりがあるんでないと、企業スポーツ、企業の宣伝・広告塔にとどまるものだとしか言えまいに、日本の場合は。日本では、幾ら企業名が入ったスポーツチームが地元で人気を博したとしても、いつまでもそういう次元を出るものではなかろう。その根幹的なところを忘れてはならないと思うんだが。そんなことはどうでもいい、そんなことはない、っていうことなら、話がかみ合わないっていうか、認識やフィロソフィーが異なるってことになりますね。
Jリーグはそこのところを、地元密着とかいう言葉が先走ってしまっているけれども、要は住民のもの、地域のものとしてのクラブという形を浸透させたかったということでしょ。しかもフットボール(サッカー)だけでなく。それは私は間違ってないと思うし、日本社会においては革新的なことだったと考えられるし、で、今日はその革新的な挑戦が、功を奏している部分もあるし、十分ではない部分もある、と思ってます。まだまだ、って思ってます。だって、そんなん10年や20年で変わるもんじゃないでしょ。文化や社会性や風土の問題なんだから。完全には変わらないかも、とも思ってます。で、将来(遠い将来)において、Jリーグのクラブ名に企業名が入ってもかまわないっていうことになるかもしれない。それはその時こそが、Jリーグのやろうとした革新が根づいた証しでもあるんじゃないかと。逆に、そんな頃は、こんなことすらも忘れられた話になってるかもしれない。とにかく日本は全然まだまだですよ。
なんでそういうヨーロッパ型にしなきゃいけないんだ、っていう向きもありますよね。確かに考え方のスタートはヨーロッパ型だけれども、ヨーロッパのマネということではなく、それを取り入れた新しい日本のスポーツ文化社会っていうことだと私は理解してんですけどね。もちろん、それは必要なことということで。
アメスポ(アメリカンスポーツ)にちょっと馴染んだ私の知り合いが昔(日本が初めてワールドカップに出場した頃かな、それよりちょっと前だな)私にこう言ったんですよ、、、Jリーグもできた頃はイイなぁ~って思ったんだが、すぐに地域おこしみたいになり下がってしまって…と。うん、言いたいことはわかるんだが、一種の地域おこしでもあることは、間違いではないですね。そこについてももっと突っ込みたいけど、話をちょっと戻しますが、福岡、札幌、仙台と、プロ野球のチームが落下傘して来て、そこでは食われてしまった…という認識が前提に立っているようなんだけど、福岡は福岡の地域風土や文化や歴史があり、札幌も然り、仙台はそうですかねぇ、、、フットボールは人気が高いと思いますがね、TV視聴率を見ても。だから何を見てそういう認識や前提に立っているのか、そこがフットボール専門系のライターさんにしては、、、っていう気もしますな。問題提起はいいけど、なんかね。
ただ、こういう話が出されるっていうのは、Jリーグ自体の露出や、Jリーグ全体のマネジメントや、Jリーグのクラブが地元でスポンサー集めに苦労しているという話が、あまりに強調されていることに端を発しているんじゃないですかね。
そもそも日本には、地方や地域に大きな企業が存在していることはそんなに多いわけではなく、スポーツの話(スポーツビジネスの話)でなくてもアメリカの例とかを引く方々が多いんだが、アメリカとは事情が全然違うことから認識しないといけないんでは?? アメリカ社会にはなれないわけですよ。じゃ、スポンサーもあまり見込めない、スタジアム収入も伸びない、、、と来たら、何をするのかってことですよな。Jリーグとしては東南アジアにTV放映権ビジネスを展開しようとしているが、それは間違いじゃないが、イングランド・プレミアリーグが入り込んでいるところに、それに拮抗するほどの食い込みは現実的ではなかろう、、、でもそれは継続して行くことだろう。んで、他に何が考えられるかって言えば、TV中継問題は確かにあるでしょう。つまりCSのスカパー独占中継なんで、地元のTV局でろくに放送されなくなったこととか。JリーグとしてTV放映権を一括契約することは悪くはないんだが(その収益を全クラブに分配することも重要で大事)もうちょっとは各クラブに裁量権や融通性も認めてあげないと、独自の売上があげられないでしょ。スペインリーグなんて、クラブ単位で交渉できるもんだから、レアルやバルサと他のクラブとの格差が大きくなってばかりなんだが、そこまでの話ではないにしても、そこいら辺はどう考えてんのか、何も考えてないのか、Jリーグに聞きたいものです。ユニホームのスポンサーだって、緩和してもいいんじゃないか。もう少し各クラブが、地方のクラブが営業しやすいようにしてあげないと。
スタジアム改修問題だって、単にライセンスの観点からクラブ(そして自治体)に要求する、迫るというだけでなく、スタジアムに人が集まる(それは試合がない日のことだが)ことがしやすいように日本の法律体系が変わって行くように各方面にはたらきかけることも(気の遠くなる話だが)重要だし、そもそも、そういうこともやってんのか?? Jリーグの試合は2週間に1度あるだけじゃないか…なぁんて言われていることに対して、確かにJリーグの試合は2週間に1度だが(そもそもJリーグの試合だけが利用するわけではなかろうし、今や最も多いサッカー人口増加をスタジアム使用頻度と結びつけられないのか…)こんな利用ができます、こんな風なコミュニティ施設となります(スタンドの下のウエイトトレーニング場を解放することじゃないぞ…)といったレクや提案もしてんのか??? そういう側面支援というか後方支援というか、そういうことを頑張ってやんなさいよ、って言いたいんだな。
ま、この話は幾らやっても尽きないし、簡単に終わる話なんかじゃないですね。
今日書きたかったことの一番は、フットボール専門系ライターさんの、そういう記事というか主張のことですね。より誤解を招くんじゃないかと。より(Jリーグにとって)マイナスをもたらすんじゃないかと。それが最も気になったことで。
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