いつまでもスポーツ紙など活字メディアで使われる「司令塔」という言葉。
2010.09.07
今夜はグアテマラ戦。今朝のスポーツ紙では「香川、司令塔」などという文字が躍っている。
攻撃で目立つ選手が出てきたら「司令塔」…背番号10をつけたら「司令塔」…背番号10の選手を「司令塔」…攻撃の中心となる選手も、トップ下でプレーする選手のことも、セットプレーのキッカーも「司令塔」…ほっんと「司令塔」という言葉がお好きで。
フットボール用語では司令塔などという言葉は存在しないというか、死語と言ってもよいだろう。1980年代とか90年代初めには、確かに背番号10を背負ってゲームメイカーの役割を担う選手がいた。いわゆるファンタジスタ(系)というか。今でもそういう選手がいないことはないが、そういうタイプなら司令塔でもよかったが、今やそういうタイプは旧式。しかし当時でも、そもそも司令塔というポジションはありません。結果として、表れる形として、司令塔の役目になっている(役目を担っている)ということであって。
また、今日では「トップ下」自体を置くことが少なくなっている。仮に「トップ下」が置かれていても、その選手が「司令塔」というわけではない。シャドーストライカーかもしれない(であることが多い)し、ゲームメイカーなりプレイメーカーなりは別のポジションの選手だったりもする。
ま、日本の旧来メディアの思考能力・思考過程では、スターになりそうな攻撃的な選手は全て「司令塔」とくくりたい(命名したい)ということなわけだよね。そうして特定の選手にスポットを当てるしか報道の仕方を知らないし。なんか、記者として報道機関として稚拙さをものすごく雄弁に物語ってしまうことに気づかないのだろうか。読者や大衆がその方がわかりやすい・くいつきやすいから、って言うんだろう?? わかってるよ、言い分は。だから、それがもう古い、間違っているわけ。
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