日本らしいサッカー云々。
2014.06.27
毎度毎度、ワールドカップで日本が敗退すると、日本らしいサッカーとは何ぞや云々という話が出て来る。確かに過去にはそういうあたり見えない的な感はあったが、もうそろそろ、そういうのは見えて来ているんではないか。
いわゆる解説者だとかOBは、今回も日本らしいサッカーが見えない的なことを言いつつ、どういうフットボールが日本らしいフットボールでしょうか、、、などという問いかけに対して総じて、スペインのようなフットボールじゃないか…などと言うようだ。要は、ショートパスを細かく繋いでゴールに迫るフットボールってことなんだろうが、それはもうとっくに見えてるでしょ。いや、スペインを模倣してとかじゃなく、日本チーム、日本選手の特性からして、自然とそういうフットボールになってきてるでしょ。既に。
で、そこに至るまでの課題めいた点として、昨夜ちょっと見ていた地上波民放TVでは(に出演していた某解説者は)個々の選手の技術と選手間の距離感などを挙げていたようだ。そんなことはわかってるが、話がそこ止まりじゃんか、いっつも。解説者とかの方こそ4年前とかから変わってないんじゃないか。何を見て来てんの??って感じ。日本代表チームの試合やJリーグの試合を見てんのか??って思えてくる。
そういう課題(?)というか、そんなものは言うまでもないことであり、それよりも今日さらに意識されるべきは、ポゼッションしながらもボールを失った、相手にボールを奪われた、その後の対処のことであったり…スペインでもバルセロナでもすぐに奪い返す技量や組織力があるでしょ(スペインリーグでもバルセロナはその辺りが弱体化してきたし、今大会のスペインチームでもそこが4年前や2年前と比較して明らかに落ちていたんだが)…そこにまで言及できないものか。
さらに、今大会はポゼッション・フットボールを打破するような内容の試合が多々あったわけで、ショートパス構成によるポゼッション・フットボールにプラス、どういうフットボールも加わることが必要なんじゃないかとか、そういうことも。
さらにさらに、ポゼッションして相手ゴールに迫ることに専心(?)するばっかりに日本チームにおいては疎かになっている感ある、守備をどうするのかっていうこと。もはや、そういうところの話であり、いくら地上波民放とはいえ、先述した程度の話なんかじゃ、もう古いっていうか、実態レベルに対して相当遅れているといわざるをえないと思うんだな。
でもって、やはり日本国民・世論・世間的には、ワールドカップで勝たないと興味が薄れる傾向にある文化・風土なわけでしょ。じゃ、その日本らしいフットボールを高めていきつつ、同時にワールドカップで勝ちも拾うフットボールってのは何なのか、どうすればいいのか、、、そういう話をしてもらいたい。理想やイメージを追求することと、(あえて言うなら目先の)勝ちとは必ずしも結びつかないものであり、後ろに重心を置いたやや腰の引けたようなフットボールでグループステージを突破しても何だかんだ言われ…玉砕戦法的に真っ向勝負してみたら惨敗し(しかもそれを単に「力量不足」とか「世界との差」とかで単細胞的に片づけ)…日本全体としてどう見たり捉えたりすればいいのか不明瞭になっているだろ。そこに道筋や議論の意識づけをするような、そんなことをもっと意識化し常に念頭に置くべきではないのか。解説者だとかOBだとか、こんな程度のお気軽なお仕事ぶりじゃ、選手やコーチングスタッフなどの現場に申し訳ないっすよ。あ、当然メディア、旧メディアもね。
昨夜のアメリカVSドイツに注目して見ていたが、あの守備の堅いアメリカに対して何だかんだしながらも、ドイツはゴールマウスをこじ開けたでしょ。あの攻防をどう見るわけ。幾つか読み解く点があったと思うけどね。アメリカは引きこもっていたわけでもないし、アメリカチームの運動量とスタミナくらいまで、ワールドカップ本大会に臨む日本チームは仕込んで備えないことには戦ってはいけないだろ。フィジカルフットボールをしようってんじゃない。身長の高さや身体サイズのデカさのことじゃない。ポゼッション・フットボール、大いに結構。だが、そこで技術がぶれない、相手のコンタクトに左右されない強さと巧みさと技術(だからそこは単に技術だけの話じゃないだろ)に、ボールを奪い返すプレス戦術、そして日本選手のアジリティを生かす身体パフォーマンス(関節の柔軟性であったり、さばきであったり、すり抜けであったり、そうですね…まるで忍者の如きと思われるような…忍者なんて書くと笑われるかもしれないが、結構マジな話っす)、、、等々を実行するには、スタミナやスピード、そしてボディコンタクトへの耐性や復元力なんてものにもっと目を向ける必要があるでしょ。フィジカルが弱いんじゃなく、日本人らしいフィジカルを身につける、日本人のフィジカル特性を伸ばし生かす、さらに強化すべきポイントを(体幹とかじゃなく、もっと深い部分の柔軟性、瞬間身体反応とか…)っていうことなんじゃないかと。サッカーボールの扱いが上手いだけじゃ、フットボールという戦いはやってけない。日本サッカー全体として、その辺りの研究が相当足らないんじゃないかと。
あと、個の力とかがやたら強調されるようになってから、これも日本チームの特徴というか特性であったはずの組織的なプレスがなくなっちゃってんだよね。かつてはチームとして徹底的に(ある意味)マニュアル化した組織的なプレスだったかもしれないが、個々の選手の技術や力量や経験値や場数が上がってきた中で、その中で組織的なプレスをどうやっていくのか、、、そこにも関心を持ってるんだが。それもいつの間にか忘れてないか?? 日本らしいフットボールを実行し表現するにおいては、いま一度必要な要件なんじゃないか。
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