槙野、ケルン移籍決定…Jリーグ「空洞化」とは思わないんだが。

噂のあった槙野のケルン行きが、もうちょっと時間がかかるのかと思っていたら急転直下(に見えた)決定したそうで。完全移籍とのこと。

しかしケルンは降格争いをしているチームなんだけど、行って大丈夫なのか?? 岡崎に噂のあるシュツットガルトもそう。しかもシーズン途中での加入(移籍)になるんで、非常に難しいと思うのだがなぁ。さらにアジアカップで時間を費やし、チームに合流する頃にはウインターブレイクは終了してリーグ戦は再開しており、入り込むスペース(居場所)があるのかどうか。

ケルンと言えば、私のようなオジンにとっては1970年代前半に結構馴染みのあるチームで、「左足の芸術家」ヴォルフガング・オベラーツだよな。今は会長らしい。
1977年には、日本人として初めてのメジャー海外移籍した奥寺康彦氏を引っ張ってくれたチーム。

オベラーツと言えば、1974年のワールドカップ・西ドイツ大会で(クライフのオランダに勝って西ドイツが優勝)中盤のゲームメイカーはオベラーツ(代表では背番号12)やギュンター・ネッツァ(背番号10)か!!って大議論になってるという雑誌(サッカー専門誌)等での記事に何故か遠く離れた日本で気を揉み、結果的にオベラーツが起用されたのだったが、2006年のドイツ大会前にスカパーが1974年大会の全試合をオンエアしてくれたので、西ドイツの試合を非常に興味深く見たが(それ以前は長らく、実に三十数年も、主だった試合しか見たことがなかった)オベラーツの位置どりやプレーぶりが意外にも今でいうボランチっぽかったのに少々驚いた。自分が前へ行くよりも、周囲の若くてイキのいい速い選手を活かそう的なプレーだったような印象がある。

話を戻して、この槙野の移籍も移籍金なし(サンフレッチェ広島との契約満了により)での移籍だそうで、どんどん海外のクラブへ移籍するのはとっても嬉しいことだが、ちょっとJリーグの各クラブは何とかしないと、おかしいんじゃないのか。
浦和レッズの監督を退任したフィンケ氏が、このケルンのダイレクターに就任しているようだが、そのフィンケ氏だってこんな風に語っているようだが…

「Jリーグのマネージメントの人間も、お金を稼ぐようなことができるやり方で契約を結んでいかなくてはならない…無名な選手ならまだしも、A代表選手が移籍金ゼロで移籍するようなことがあってはならない…代表選手は優れた選手のはず…優れた選手を出す時には、通常であれば違約金が入るもの」
http://news.livedoor.com/article/detail/5240381/ (Soccer Journal「浦和レッズ フォルカー・フィンケ監督 最後の会見・後編」)

全く仰せのとおり。

さて、こうしてどんどんJリーグの選手たちが海外へ出て行くことについて、しばしば「空洞化」と危惧?? 批判?? する向きが少なくない。随分前の話になるが、10年くらい前だろうか、ある仕事で、コンテンツアワードの審査員をやらせていただいていた時に同じ審査員にTV局の人もおられて、皆との雑談の中で私がもっとどんどん海外へ行くようにならないと…と言うと、その方は海外に出てばかりいるとダメですよ、という意見をおしゃった場面をよく記憶している。TV屋らしい発想だったのだが、それを否定するつもりもないが、しかしグローバルに地球規模で進むフットボールの世界では、これはもやむを得ない話であって、やむを得ないというか普通に当然の話であって、じゃぁ国内リーグが「空洞化」してよいのかと言われると、そんなことも微塵も考えていなくて。
要は、仮に「空洞化」するとしてもそれは一瞬であって、一瞬に止まらなくてはならなくて、次から次へと新しい選手が出てくる(新しい有望で世間の注目や関心を引く選手を輩出する)ということでなくてはならないわけであり、それくらいJリーグの各クラブや、Jリーグだけでない地域リーグや地域の草の根クラブの重要性が高いわけであり、そんな風になっていかなければならないわけで。
そうでなければ、地球規模のフットボールの空間の中で、日本の位置なりステイタスを上げていくことも、ワールドカップでさらに上のステージへ進むことも、いわゆる「国際競争力」というか「国力」と言ってもよいかもしれないが、それを向上させていくことも叶わないということ。その辺って、日本の一番苦手なところでしょう、何においても。だから、フットボールで、フットボールという空間で、フットボールを通して、フットボールというものにおいてすら、地球規模から見た日本の国力が試されている(ますます試されていく)ということだと感じるのだ。大袈裟ではなく。

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