日本の子どもたちに「向上の余地があるのは戦術面」

スポナビで、バルセロナの下部組織で監督を務めたジョアン・ビラ氏の日本のU-12の子どもたちについての非常に興味深いコメントを読むことができる。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/1011/spain/text/201106140001-spnavi.html (スポーツナビ「シャビを育てた元バルサコーチが日本に提言」)

一番印象に残ったのは、日本の子どもたちは「向上の余地があるのは戦術面」と述べていること。これまで私なんかが知ってきた日本の指導者の意見としては、日本の子どもたちには戦術を教え込み過ぎる、というのが定説だったように思う。個々の技術やテクニックをもっと磨かせた方がよい、ということだったわけで。しかしジョアン・ビラ氏はむしろ、「ボールコントロールやコーディネーションは、この年代で完ぺきに近いものがある」と評価している。
これは多分、日本の指導者たちが言っている「戦術を教え込み過ぎる」というのは決まり切ったやり方を教え込み過ぎるという意味で、ジョアン・ビラ氏の言う「戦術面」というのは、いわゆるトータルな意味でのフットボール・センス、フットボール脳といったことのように思われる。その部分では、まず指導者側にそれらが備わっていなくてはならないわけで、そういう意味では確かに指導者の素養の問題(課題)がいまだに存在しているのが日本のフットボール環境ということではないだろうか。
いや、日本の指導者たちを批判するつもりは毛頭ない。子どもたちの指導者(ジュニアサッカー指導者)がこれだけ全国各地津々浦々におられて、その方々のおかげで日本のフットボールの進化がもたらされていることは言うまでもないこと。Jリーグだって、Jリーグのモデルを取り入れようと他の競技種目が幾らやってもJリーグのようには全然行かないのも道理であって、Jリーグ発足前から、そうしたジュニアサッカー指導者が土台というか底辺部分を構築していてくれたからこそ、遅ればせながら発足したJリーグが曲がりなりにも継続し発展してきているわけだ。実は1980年代から、子どもたちにとって人気のあったのはサッカー。それがあっての1993年設立のJリーグが成り立ったのであり、ジュニアサッカー指導者のボランタリーな情熱と努力こそが、それを支えていることはよ~くわかっている。

さて、明日からメキシコでU-17ワールドカップが始まる。日本もグループリーグ初戦のジャマイカ戦がある。日本時間では6月19日の8:00AMキックオフ。グループリーグは、その後フランス戦、アルゼンチン戦と続く。U-17だからやってみないことにはわからないが、普通には厳しいグループだな。

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