地方クラブのありかた。

数週間前に朝日新聞で、アルビレックス新潟が岐路に立っているというテーマの連載が掲載されていた。「新潟の奇跡」などと称賛され、Jリーグの理念を地方で具現化したモデルのように喧伝されたアルビレックスの観客動員が、年々落ちていることを取り上げたものだった。、

確か2005年が平均4万台乗せで、新潟スタジアムのキャパが4万2000くらいだから、これは脅威の数字のほかナニモノでもない。アルビレックス新潟は2004年のJ1昇格後は降格もせず定着していると言ってよいかもしれないが、ここ数年は毎年主力選手が移籍して行ってしまい(もっとも、主力選手の移籍によって移籍金を得ることがあまりできていないようで、それは大きな課題)それでも戦績はよく頑張っていると思うのだが、やはりこう出て行く選手ばっかりだと魅力が薄れてきたと思われてしまうだろうし、もう1つ大きいのは日本のスポーツ文化程度では「マンネリ」とか「慣れ」みたいなものが必ず数年で出てくるので、厄介と言えば厄介。そんなんでも昨シーズンで言うと、ホームで鹿島アントラーズと名古屋グランパスを撃破した試合は素晴らしかったじゃないですか。昨シーズンは例年どおり主力も抜け、監督も新人監督の黒崎氏だったのでJ1残留は大丈夫かと思ったんだが、黒崎監督の手腕も素晴らしかったじゃない、、、ああいう試合を評価して語り続けて(継いで)いくのがまた、楽しみだと思うんだけどね。アルビ周辺はどうなんだろ。
ま、少しずつ平均観客数は減り続けてきたとは言え、それでも昨年でも3万数千だったのだから凄いこと。FC東京や横浜F・マリノスよりも多いのだから。しかし今シーズンは、震災や原発問題の影響もかなりあるだろう、どうもこのところ観客数が3万に届かない試合が続いている。それでも2万5000くらいなんだから、十分素晴らしいのだけど。
その朝日新聞の連載では、地元出身の選手(地元でなくてもいいんだが)を育成して主力に育ててチームとしての魅力を…アルビレックスもそういう意識を持ち始めている…みたいな紹介をしていたが、アルビレックスはユース出身の選手も結構よく輩出している方だと思うんだけどね。新顔の地元の選手が出てくる、ファン・サポーターはその選手が育っていく過程を楽しみにしながら(厳しくも見つめながら)見守り声援を送る、その選手が資金力のある他のクラブに引き抜かれる、クラブに移籍金が入る、、、こういう連環構造が生まれないと、地方クラブはやっていけない。スポーツビジネスを研究だか何だかしているらしい人が、アルビレックスがまだ平均観客数が多かった頃に、そろそろ何かで優勝を、、、みたいなことをコメント(助言??)しているのを見たが、優勝争いもいいが、私はそれが不可欠な要素・条件とは思えない。先に書いた連環構造を確立しているヨーロッパのクラブでは、優勝争いに加わるのは10年に1回くらいでよい…そのヤマを1つのサイクルとしたチーム・選手の成長プロセスを楽しむ…みたいな文化が根づいているが、日本もそうなって欲しいなぁと思う。
その朝日新聞では、サンフレッチェ広島のペトロヴィッチ監督のコラムも週1で始まっているが、ペトロヴィッチ監督も、地方クラブのありかたとして、選手の育成・輩出を上げていた。来場者収入やTV放映権料も大事だが、それと同じくらい、場合によってはそれ以上に選手の移籍金収入がもっと意識されてよいと思うのだ。

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