オランダ戦。
2010.06.20
正直、勝てる可能性は10%、引き分けならさらに10%増しというのが見通し。しかもスコアレスの引き分けは相当困難。それにグループリーグの2戦めということから、負けるにしても得失点差を考えると負け方というものがあるという点も非常に困難な試合。
結果は悔しい0-1負け。負け方としてはたいへん良かった。なにしろ1失点なのだから。グループ2位争いに得失点差も非常に重要なので。
しかしオランダの出来も良くなく、もちろん日本がそこを消していたこともあるだろうが、それだけに本当に惜しい一戦になった。攻撃のフィニッシュもカメルーン戦よりずっと多くあったし、日本の守備ブロックもプレスもカメルーン戦より位置が高く、ずっとよい出来だった。
日本は大方の予想とは違って、カメルーン戦と全く同じスターティングメンバー。前半から良い試合展開で、惜しかったのは最初のシュートとなった長友のシュート。左サイドに動いた松井から斜めにペナルティエリアへ向かって走り込んだ長友へ渡って(打て!!と叫びました)全速で走り込みながらのダイレクトシュートで難しいのはわかるが、枠へおさめて欲しい。
後半は大久保の連続シュートがあったが、あそこも後ろから何人かの選手が追い越していったのをフェイクに使ってのシュートでよい選択。しかし、シュートの技術が足らない。せっかくの好判断なのに。残念。
松井はこの試合でもよく効いていて、ボールも持ってくれるし守備でも体を張ってくれるしファウルももらってくれるし、今大会の2試合を見た海外チームからまた声がかかるかもしれない。
長谷部が立ち上がりから動きが硬いというか、、、疲れや負傷が抜けてないのか。
カメルーン戦と違い両サイドバックも攻撃参加しイイ感じ。
もっとも以前の(もう15年くらい前から)日本チームはサイドアタックをサイドバックに託して(押し付けて)しまっていたが、サイドバックの上がりはこれくらいでいいんじゃないか?? それがかえって(オーバーラップの裏を突かれて)弱点になったり、スタミナ切れを起こしてしまうから。かれこれ十数年前から言い続けているのだが、日本代表チームはサイドバックに過度の要求をし過ぎだと。
残念なのは後半立ち上がり。動きが悪い。オランダが後半キックオフから圧力をかけてくることはわかり切っていた。案の定セットプレーの連続から押し込まれ、遂にゴールを許す。ここ、何とか切れなかったか。こういうところを何とかして欲しかった。仮にスナイデルに落したファンペルシがハンドであったとしても。
この日の交替は、中村俊輔、そして岡崎と玉田の同時投入。
中村俊輔はスタメンでは不要(大会前にサッカーにうとい一般人たちですら、そう言っていた)だがスーパーサブとして必要と言い続けてきたので、これは同意。しかし、いい動きも一瞬見られたがやはり戦えない。すぐにフラフラ浮遊してしまう。やはり違う。周囲の必死の動き、体を張ったアクションについていけない。ベンチが意図したという攻撃の起点になど全然なりえていない。これなら守備のリスクを引き替えに勝負のために投入するなら、中村憲剛の方が正しいチョイスだった。
俊輔の正確で素晴らしいキックはこれまで長い間、日本チームに多くのゴールをもたらしてきてくれたし、日本代表に大きな貢献もしてくれたし、俊輔の視野や戦術眼は認めるし、そこでタメをつくってくれる(くれた)という意味合いもわかっている。そういう意味でスーパーサブとして必要と考えていた。だがそれは理論的には正しかったかもしれないけど、やはり現実的には間違っていたことを自己確認した。より明確には、彼のためのシフト、彼が自分のペースと間合いでプレーできるシステムを提供してあげられなくては、彼は本領を出せないということ。これが見納めだろう、デンマーク戦で敗色濃厚にならない限り。
しかしこの3人のチョイスは、岡田監督はもう一度かつて構築してきていたつもりの4-2-3-1で反撃を試みようとしてみたのか?? それでもなぜ森本を使わない。岡崎よりもゴールは期待できるが。玉田は全く話にならない。
それにしても途中出場で背番号10がピッチインしてきたのに、国際映像では抜きもない。国際的な知名度はそんなものだということ。イギリスとスコットランド、そしてイタリア以外では。スカパーは国際映像なので、試合前のクリップ(紹介映像)やスタジアム到着時の映像やピッチをチェックしている映像を含め、誰が注目されているのかがよくわかる。
長友のフィードから闘莉王の落としに岡崎…バーを越える。岡崎の試合後のコメントを聞いて、多くのサッカーファンが岡崎は次も改善なしと感じている。
タイムアップ間近、長友が倒されたのはPKではなかったか…もうちょっとゴールに迫る流れの中でなければ、さすがにPK判定はもらえないか。ただ、この試合の主審は北京オリンピックでのオランダ戦と同じ。あの時は、オランダの見え見えのPKもらいのアクションにまんまと笛を吹いた。だから…というつもりはないが、そういうレフェリーの性質の中でもちゃんとPKがもらえる(PK判定をせざるをえない)プレーをしなくてはならないということ。
これまでは例えば1998年フランス大会でのアルゼンチンに0-1とか、敗れたものの1失点でよく押さえたということで、ある意味の安堵感を持ったことがあるのは否定しないが、この試合は本当に悔しい。惜しい。
この日は昼過ぎから、テレビ朝日とNHKが並行してぶち抜きで延々サッカー特集。そのままオランダ戦になだれ込もう(地上波はテレビ朝日、BSでNHK)という趣向だったようだが、我々のようにスカパーで見る者と違って一般家庭は楽しんでいただけただろうか。
以前のような「善戦したけどつまんない0-1」とは言われないものにはなったかな、とは思うのだが。さらに日付が替わって深夜1時過ぎからテレビ朝日とNHKが共に再放送までしたようなので、一般家庭でもこれだけ後押ししてくれたのだから、もう一歩の結果になればなお良かったのだが。
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