新・国立競技場をめぐって…
2014.05.24
いよいよ来週土曜日となった国立競技場の「さよならイベント」だが、ピッチに下りられるのは夜になってのようで。それまでがあれこれ長過ぎるよ~
さて、現・国立競技場は7月から取り壊しに入る予定だったと思うが、最近になって、改築より改修で済ませるべきだ、という意見なりがいろいろ出ている模様。主には景観の観点、費用の観点のようにお見受けします。あと、デザインコンペのプロセスについての疑義とか。私はそうした辺りまで突っ込んでみるつもりはないのだが、しかし、そもそも計画どおり改築して完成した場合でも面積の問題からサブトラックはつくれないので、2020年のオリンピック時には現在の野球場あたりにサブトラックをつくって対応するはず。んで、オリンピック終了後には当然、その仮設サブトラックは撤去するんだろうから、そうすると陸上競技の国際大会は開催できないことになる。であれば、無理に「陸上競技場」として残す必要もないわけで、またフットボール開催時にはスタンドがせり出して云々という計画なんだろうが、そうだとしても、陸上競技場としてのスタンドの傾斜は緩くするものであるからして、そんなにフットボール観戦に向いたスタジアムにならないだろう。
そもそもが8万人ものキャパをもつ陸上競技場なんて不要であって。まさに近年、オリンピックのメイン会場(=陸上競技場)は、オリンピック終了後にはスタンドをダウンサイジングしたり、フットボール・スタジアムに改装したり、そういうことをやってるわけで。そこを陸上競技場(陸上競技とフットボール兼用)にこだわる日本の発想は随分遅れていると言わざるをえない。ぶっちゃけて言うなら、フットボール・スタジアムに改装するのが一番よいと思うが、1964年の東京オリンピックのメインスタジアムの場所に陸上競技場でなくなることには相当の抵抗感がおありの向きが多いだろうから実現度は低かろう。であれば、スタンドのダウンサイジングしかないよね。ダウンサイジングするなら、例の(凄いというか何というか)デザインは実現不可能だし…いや、あのデザインでつくって、その後にダウンサイジングするのは可能だろうけど、2019年のラグビー・ワールドカップと2020年のオリンピックのためだけの壮大なデザインということになって、それこそ無駄なコストになるし。ただどっちみち、陸上競技場として残したいとするならば、サブトラックが設けられないという問題は存在し続けるわけで、だからやっぱし陸上競技の国際大会は開催できないだけどね。国内の大会だけ開催する分には、いいんじゃねぇの。先日も、陸上競技大会やってましたよね。今年秋のアジア大会の選手選考会も兼ねていたようだが、国際規格ではない(トラックが8レーンしかない)陸上競技場で開催した大会でも(アジア大会という国際大会の)選手選考会にしていいんだ、なぁんて感じたんだが。
改修への方向転換を主張される向きには、そのようにトラックのレーンの問題もあることはご存じなのかな。トラックやピッチを現在のままでスタンドだけ改修しても、オリンピックでは使えないんですけど。
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