セミファイナル - ウルグアイVSオランダ
2010.07.07
先日開催されたUFCの試合をWOWOWで見た。UFCを見るのは実は久しぶりなのだが相当に面白かった。クリス・レーベンって、もちろん怪物で、あの身体でスタミナも異常にあって動けてホント化け物だが、グランドで長時間下になっていても全く慌てないし粘り強いし、それとグランドでの肘の使い方が絶妙でとにかく感心、見ていて非常に勉強になった。
ウルグアイの守備は凄い。攻撃も鋭いが、とにかく守備を堪能させてもらった。4-1-3-2のフォーメーションのようだが、とにかくオランダ選手がボールを持つと寄せが異常に速い、そしてすぐに2人が寄せる。2対1の数的優位を作って自由にさせない。オランダが遅攻で人数をかけてきそうになると、最終ライン4枚の前に4枚のもう1列のブロックを作って備える。そうしてひきこもっているのではなく先述のように速い寄せ。ハーフウエイラインを越えたあたりでは積極的な寄せ。運動量も相当なものだろうが、タイミングと読みや判断の速さもあるのだろうな、無駄な走りがなさそうで、思いの外スタミナのロスが少ないのかもしれない。日本の手本になる。こういうのはチーム戦術もあるだろうが、やはり個々人のリテラシーというか文化として備わっているんじゃないのか。
前半に左サイドバックのファンブロンクホルストが決めたスーパーシュートのシーンは、ちょっとだけ寄せが遅れた。そこをスーパーロングシュートを打った方をほめるしかない。ファンブロンクホルストが穴と言い続けてきました。失礼しました…もっともそれは守備面でのことだが。
後半オランダが2ゴールを追加したあたりは、ちょっと2列めの寄せが甘くなってきたな、と思った矢先だった。1-1で90分行ってしまう予感もよぎったが、ここで決めてしまうのはオランダはさすがだ。何としてもゴールを奪うためのスキルや引き出しが多い、当たり前だが。
オランダも3-1にしてからは追加点の決定的なチャンスもあったけれどもやや気が抜けたのだろう、チャンスを続けて逃す。そうこうしているとウルグアイが1点差に追い上げるが、慌てた風もなくこれはもうオマケみないなもの。
ウルグアイを見ていても、やはりアンカーは必要だな。少なくともワールドカップ本大会では。
前半のフォルランの同点ゴールは美しかったが、ちょっとオランダのゴールキーパーのミスだなぁ。その後もゴールキーピングに幾つか危なっかしいところがあった。何とか凌いだ感じだ。オランダの最終ラインも少しやり方を変えて、4バックの間をやや狭めて修正してきたように見受けられた。その分、左右サイドバックの外側にややスペースができるが、そこは内包している欠点を補完するリスクヘッジの方を重視したのか。
南米のパラグアイとウルグアイという、割と似ている2チームを比較してみると、どっちが強いとか簡単に言えないが、ウルグアイの方が攻撃的でパラグアイの方がよりコレクティブな感じがする。もし今大会の両チームが対戦したら、パラグアイの方が優勢かもしれない。
とにかく南米のチームは粘っこい。非常に学ぶところがある。来年参加させてもらえるコパ・アメリカ(南米選手権)が非常に楽しみ。パラグアイやウルグアイや、チリやコロンビアなんかとどんどんやった方がいい。ビッグネームではないから旧来メディアは困るだろうがね。日本チームの戦い方を追求するには絶対に必要。
ちなみにオランダチームだが、小野伸二がオランダのフェイエノールトにいた頃から知っている顔ぶれが多く、なんとなく親近感ではないが懐かしくなる。ファンペルシなんかヤンチャだったし、カイトはもっと硬かったし、ファンボメルはPSVにいて小野との対戦が楽しみだった。監督は当時フェイエノールトの監督だったファンマルバイクだし。そんな顔ぶれが揃っている今大会に小野が来てないのは、彼らだって不思議だろう。とにかく一番上手いって、誰もが評価してたんだから。今でも。ケガや持病もあるが、次のワールドカップでは小野の姿を彼らに見せてあげてはどうかな。やれると思うよ。
さあ、今夜はドイツVSスペイン。
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