ロースコアでも息もつけない、あっという間の90分
2010.06.17
スペインVSスイスは優勝候補の呼び声も高いスペインが敗れる波乱?
しかしスペインの早く正確で美しいパス回しには、TVを見ていたライト層の人たちも驚いたのでは。もちろん選手間の技術の高さがあってのことだが、加えてポジショニングの巧みさ・スマートさ、いつ動くかの判断とタイミングの高度さ、そしてパスの受け手を見つける視野の広さが備わってのこと。
スイスは元々堅守で知られるチーム。それを如何なく発揮。しかし単に引きこもって専守防衛ではなく、ゴールも鋭く奪いに行く、それをいつ前に行くのか、そのフットボールIQ的な高さも含めて守備文化の奥深さを堪能させてくれた。90分間があっという間で見入ってしまう。
スペインは怪我あがりの選手が多いのが、やはり気になる。コンディションが上がっていない。グループリーグ残り2試合も、このように試合自体は圧倒するだろうが、ゴールマウスをこじ開けられるかどうか。実は開幕前の韓国とのテストマッチでも、もちろんあの試合は調整の感が強かったのだが、その点は見ていて気になるところだったのだが。
同じグループのホンジュラスVSチリも、最少得点差ながら攻撃的で面白い試合。2試合とも1-0だったが、目の離せない息のつけない1-0。こういう1-0もあれば、いろんな1-0がある。2001年に日韓で開催されたコンフェデレーションズカップ(2002年大会の予行演習)で、日本VSブラジルが0-0のスコアレスドローを演じた時、翌朝TVのワイドショー(フジTVだったが)でMCやコメンンテータが、サッカーの試合は0-0でも面白いと聞かされていたがそれがよくわかった、、、みたいなことを言っていたのを記憶しているが、ま、そういうことです。(遅ればせながらわかってくれてありがとさん、とその時は思いました)
ちなみにスペインVSスイスの行われたスタジアムは、オランダ戦を行うスタジアム。ちょっとピッチが荒れ気味だな、中2日しかないし。
さて、今日の見所はアルゼンチンVS韓国。
韓国は初戦のギリシャに完勝だったが、あれはギリシャがショボ過ぎた。
ギリシャって大体いつもそうで、2004年のヨーロッパ選手権で優勝しちゃったのに翌年のコンフェデレーションズカップでは日本に完敗するし、今回もヨーロッパ予選で10戦して10失点しかしてないはずなのにあまりにルーズな散漫な守備力だった。ギリシャがショボいだろうなというのは結構予測の範囲。
少し脱線するが、韓国快勝の翌日の日本の旧来メディアでは「10戦10失点の堅守のギリシャに2ゴール」というニュアンスだったが、これも相変わらずレベルの低い記事だなあとウンザリ。確かにヨーロッパ予選ではそうだったが、この試合のギリシャはどうだったのか、そこについての言及が全くない。試合見てんのか?? 試合見ても解釈能力が不足しているのか??
とはいえ韓国は、確かによいチームづくりをしてきたと思う。
開幕前のスペインとのテストマッチもネットでフルタイム見たが、明らかにワールドカップ仕様へとモデルチェンジを試していて、中盤を含めた守備ブロックをカッチリつくり、かといってガツガツプレスをかけるのではなく、適度な距離感と選手間のバランス・ポジショニングで、相手ボールホルダーに対してもきっちり2枚が決して寄せすぎずにプレッシャーをかけに行くなど、日本の準備と比べてしっかりやっているな(それにひきかえ日本は…溜息…)という印象を持った。そうした守備ブロックをベースに、カウンターといえばカウンターかもしれないが、タイミングと意思統一と流れの読みによる一気の効果的な速い攻撃を試みているようだった。これは1ランク上のフットボールへの試みと言えるもの。
(それにひきかえ日本サッカー協会は何やってんだよ…裕福になってしまって、かつての向上心や熱や張りつめたものがなくなってしまっているではないか)
そのスペインとのテストマッチでは、前述のようにスペインも完全にコンディションの調整に使っていたので激しい攻撃を仕掛けたわけではないし、アピールしたい前の選手(アタッカーたち)の強引な力の入り過ぎたパフォーマンスに助けられたところもあったが、試合終盤までスペインを封じていた次第だ。
もっとも、それでも韓国を振り回すスペインの技量には、アジアレベルとは2段階か3段階くらい上のレベルを痛感したりもした。
そんな韓国が、マラドーナ監督率いる戦術的に謎!!なアルゼンチンと対戦する。これは今後のアジアサッカーの行方、もちろん日本サッカーの行方にも大きな参考になる試合になるだろう。
ところでスカパーでは毎日朝と夜、違う内容でのハイライト番組をオンエアしているのだが、昨日夜のハイライト番組では、テンションの低かったブラジルについて倉敷氏がマリーニョ氏に「ドゥンガ監督はどうですか?」と振ったところ即座に「ドゥンガはあんなもんです」…
スタジオも大爆笑、私もめっちゃ吹いてしまった。
昨夜は20:30キックオフのホンジュラスVSチリをTBSが、23:00キックオフのスペインVSスイスをフジTVが放送。ホンジュラスVSチリは先週のアルジェリアVSスロベニアに匹敵する地味~なカードで、しかも裏ではNHKがハイライト番組をやっている中、あのTBSがどれくらい視聴率をたたき出すのかと注目だったが、、、やってくれた。さすがTBSだ。何をやっても低視聴率。テッペンまたぎでも今大会毎回安定した高数字を出すフジTV(およびNHK)とはえらい違いだ。
TBSといえば開幕前日の前夜祭番組も酷い数字だったが、それをピックアップしてアンチ厨が騒いでくれたけれどもありゃ中身が酷過ぎる。TV関係者は思考停止だな。あんなんで今どき誰が付き合ってくれるというんだ。
実はそれはアルジェリアVSスロベニアのキックオフ前のテレビ朝日も同じで、どうしてあんなにつまらなく構成できるのだろう。きっとサッカーの数字を下げたいんだろうな、そうだよね。
特にTBS、高視聴率番組「スパサカ」を長年かけて無理やりに葬ったんだもんね、上層部の方針で。ま、その話は今はいいや。
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