「感動をありがとう…」だけで終わらないように。

PK戦が終わり、パラグアイのバルデスが駒野にこう言ったとか。
「お前が外したゴールは俺がスペインにぶちこんでやる」

まぁ真偽のほどは定かではないが、駒野がウンウンうなずいていたようだし、傍らの阿部がバルデスに何か返していたので、そのような内容かどうかはともかく何か声をかけてくれたのだろう。試合中、バルデスは駒野のサイドを徹底的に突いてきて、駒野もやられながらも粘って奮闘していたもんな。いい話。
http://supportista.jp/2010/07/news01130455.html (サポティスタ)

日本の旧来メディアは、オリンピックでも何でも、もちろんワールドカップでもいっつも全て「感動をありがとう」で括ろうとする。
いや、誤解して欲しくないのだが私だって感動するし、今大会の日本代表に多くの方々が感動していただいたことはとっても嬉しい。感動していただいてありがとう、とむしろ言いたい。
私が言いたいのは、メディアが毎度毎度そこにすべからく帰結させようとする行為のこと。そこから先は考えたり見たりしないようにさせていないか。それが私たちの国に、本質を見極めない、表面的なところだけしか見られない見ようとしない、そんな文化や風土をつくってこなかったか。そういうのを「リテラシー」というが、日本国民がリテラシーを持たないよう、持てないよう、仕掛けてきたのが旧来メディアではないのか。そして一般大衆という浮動層をどんどん拡大化してきた。そうすることによって何かと操作しやすいからか?
彼らはこう言うだろう、、、一般大衆には難しい話は無理だしついてきてくれない、だから誰もがついてきてくれる話を提供している、、、とね。なるほど、視聴率を稼ぎたいたいから、視聴率が全ての世界で生きておられる人間らしい。サッカーにしたって、コア層やサッカーファンが見たい話ではライト層はついてこないと、だからライト層に受け入れられる内容を提供していると。でもね、あまり大衆を小馬鹿にするもんじゃない。そういうのも、もはや飽きられてきているよ。それにも気づきなさいよ。実際、つまんない上っ面だけの感動押し付け?? やたらと感動ばっかしモノ?? もしくはドラマ的演出?? のバラエティ仕立てでは、今大会もう数字が取れなくなっているじゃないか。
感動だけでなく、もう少し掘り下げた話も必要。それはサッカーだけでなく何でも。そうして少しずつ視野や発想力や思考力をサポートしないと。特にワールドカップは格好の材料。世界の中で日本がどのように見られ語られるのか、世界の中で日本がどのようにどれくらい存在を示せるのか、その試金石となるものだから。そしてそれをさらに高め進化させるためにはどうするか、何を考え補う必要があるのか、そういうことを思考したりちょっとだけでも話し合うようになることがどんなに重要なことか。それが応用されて、政治経済だったり社会全体であったり、社会のいろんな側面や局面での深い話や思考や発想に繋がっていくんではないか。

しかしパラグアイ戦を中継したTBSには参るよね。当日のテレビ欄(テレビ番組表)に掲載されたサブタイトル何だったかご存じですか??
「元気・勇気・感動をありがとう…最後まで熱い気持ちを送ろう!」
これって負けフラグというか、負けて欲しいという気持ちアリアリだよね、というと曲解ですか。結構笑える、いや大笑いだよ。

「感動をありがとう。4年後を楽しみにしています」って言ってくれる方々も多い。
そう言っていただけるのも嬉しいけれど、この4年間をどう過ごすか作るかが大きなことであって。それは政治だって選挙だって同じでしょう。「4年後」はみんなの力で楽しみにするもんだよ、やっぱり。


昨夜はひっそりとゴールデンタイムにプロ野球ジャイアンツ戦が(そのTBSで)中継され、衝撃の3.4%だったそうだ。先月4.2%とか3.1%が出たが、その時以上の衝撃度で私は鳥肌が立ったゾ。ちなみに昨夜はワールドカップの試合はないからね。
TV界は数年前からプロ野球ジャイアンツ戦の平均視聴率を下げ止まらせるために数字の取れる試合だけを中継するように方針転換(つまり中継数を大幅に削減また削減)し、それがちょっとだけ効を奏したか、下がり方は実に緩やかなものに(大きく騒がれない程度のものに)仕立てることができたようだ。しかしこれは実は両刃の剣で、家庭の視聴習慣というものを壊すことになるんではないかと思ったりしていたが案の定…視聴習慣(視聴する習慣というより、条件反射的にチャンネルを合わせてしまう習慣かな)を消失させてしまったことがこれらの数字に顕著に表れていると言ってよいだろう。TV界が思っていた以上に、プロ野球ジャイアンツ戦のかつての視聴率には視聴習慣が占めるところが大きかったということと思うのだ。


さて、今夜からクオーターファイナル。ベスト8による準々決勝だ。オランダVSブラジルは、試合よりももっと注目することがある、何しろ日本の西村レフェリーが主審を務めるのだ。2006年ドイツ大会では上川レフェリーが3位決定戦の笛を吹いたが、それも快挙だったし西村レフェリーも快挙だよ。これまで3試合の笛を吹いていて、国際映像では西村レフェリーをどーよーっ~的な抜き方をしていたので(国際映像にはメッセージ性があるからね。メッセージ性と主観とは違う)もうピッチに立たせてもらえないかと思っていたが、意外や意外。Jリーグでのレフェリングとは比べ物にならないくらい、試合を壊さないレフェリングぶりを見せている西村レフェリー。こっちもキンチョーするよ。

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